第八話「イレギュラーハンター/IRREGULAR HUNTER」
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訳のわからないことも言うし、フェイトや……ゼロにも酷いことをするんだよ!?」
そんな怒り悲しむアルフにゼロ振り向いた。
「アルフ……人の親のことをそう悪く言うもんじゃない……」
「ゼロ!何言ってんだい!?アンタも見ただろ?あいつは実の娘に……それにアンタだって……」
「俺は師匠とその部下にやられただけだ……」
「師匠、師匠って言うけど!師匠か弟子にそんな酷いことしていいのかよ!?」
「……」
ゼロはこれ以上返す言葉は無く、途端に黙った。アルフはそんな二人を目に泣き叫んだ。
「訳わかんないよ……あたしは、フェイトやゼロがこれ以上辛い思いをするのが嫌なんだよ!?そりゃあゼロと初めて会った時、不愛想で嫌な奴だと思ったさ?でもね、コイツと一緒に居るたびにフェイトと重なって、いつしかもう一人の御主人みたいに思えるようになったのさ……二人が傷つくと私も傷つく、二人が悲しくなれば私だって目がしらが熱くなるんだよ……!」
「……ごめんね、アルフ……でも、私は母さんの願いをかなえてあげたいの、きっと自分のためにも、だからもう少し……もう少しだけお願い」
そうフェイトは泣きじゃくるアルフの髪の毛を優しく撫でそう言った。
「アルフ……」
すると、ゼロはソファーから離れ、泣きじゃくるアルフへと歩み寄り、彼女の肩に手を添えて彼はこう言う。
「アルフ……お前はフェイトの護衛に専念しろ?」
「ぜ、ゼロ……?」
泣き顔でアルフはゼロを見上げた。ゼロは優しげな顔で彼女の微笑んでいた。
「俺が……奴らを引き付ける。フェイトがジュエルシードを回収出来たら、お前はフェイトを連れて直ぐにその場から撤退するんだ。俺のことは構うな、危なくなったら俺を置いてすぐに逃げろ?」
「ゼロ!アンタまで何を言うんだい!?」
「俺のアーマーはジュエルシードを、バルディッシュのように収納できる機能は持ち合わせていない。なら、俺が魔導士とハンターを相手にするしかない。倒せなくても、刺し違えるくらいの力は残っているだろう」
「ゼロ!あんたもしかして……」
フェイトは、ゼロの意図を悟った。ゼロの目には、もう思い残すことは無かったのだ。
「禁じ手の技、天照覇のパワーを極限にまで引き出せば俺の体は耐久性を失い消滅し、大爆発を引き起こせる……」
「そんなことしたらアンタが……!」
「アルフ、お前はフェイトに必要だ……だからここで死ぬな?フェイトがそこまで母親を愛しているんだ。なら俺は、フェイトに幸せになってもらう為の犠牲になろう……」
「そんなっ……ゼロ!?」
しかし、フェイトもゼロの犠牲は否定した。彼女もまた、ゼロをアルフのように大切な家族の一人だと思っているからだ。
「フェイト……母親と幸せにな?」
ゼロはそう言って自室へと戻った。
*
一方、時空艦船アースラにて
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