第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
ナルト
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にあう。今回は出来るだけ距離をとって、クナイや手裏剣を使用した一斉攻撃をしたほうがいいだろう。
「馬鹿の一つ覚えですか! モルモットなみの知能ですね!」
響鳴穿でクナイや手裏剣を弾き飛ばし、左手にクナイを握って襲い掛かる。さっと咄嗟に本体を守ろうとする動きを見せた影分身たちに向かい、ドスは左手に隠し持っていた煙球を投擲した。
爆発、と同時に紫の煙が立ち込める。
「どこだ!?」
「どこにいるってばよ!?」
「何も見えねえ……!」
騒ぎ出す影分身たちにヒナタは戸惑ったように、
「でも、これなら相手も見えないはずじゃ……?」
と呟いた。
「いや、相手が見えないとしても何か長ったらしい印を組むんならそれで十分だろうよ。――それに、あいつは音を扱う忍者だ。ひょっとしたら音だけでもナルトの位置を特定できるかもしれねえ」
ヒナタの言葉を否定しつつ、マナは紅丸の背に手を乗せた。紅丸なら臭いでドスの位置を特定できるはずだ――残念なことにマナは紅丸の言葉を解さないから、紅丸がドスの位置を特定できても彼女にはどこにいるのか全くちんぷんかんぷんであろうが。
またマナの言うとおり、ドスは音だけでもナルトの位置が特定できた。ドスたち音忍は、第一試験のカンニングでさえその音の高低などからどのような字を書いているかを特定するほどに音に対して敏感だ。
「そこだッ!」
ガッ、と響鳴穿に殴られたナルトの体が地面を滑った。そのナルトを左手で掴み上げ、そしてドスは、軽く右腕を揺らして見せた。
きぃん、と、人間にはとても聞こえない甲高い音が鳴り響き、そしてその音はドスのチャクラの示す方向を辿り、その耳を貫いた。
「ぐあぁあッ!?」
つう、とその耳から血が滴り、ナルトの体が地面へ投げ出される。それは影分身だったので煙を巻き上げて消えたが、しかしナルト本体の耳が僅かに痛んだ。
キィイイイン、と人間には聞こえない甲高い音が空気を揺らし、鼓膜を突き破らんとした。その音に思わずそろって耳を塞ぐ。その隙をついて投擲されたクナイについていた起爆札が爆発し、影分身が一人残らず消えた。爆発に吹き飛ばされた本体を追ってドスは飛び上がり、その胸倉を掴むと、右腕を思い切りその顔に振り下ろした。ナルトの鼻から血が垂れ、そして音の攻撃に晒された耳からも血が垂れる。そんなナルトを地面に振り落とし、更に勢いをつけてその上に落下すると、ナルトの口から血が流れた。
「七つの穴から血を流すと、昔誰かがそんな言葉を言っていたように思いますが、どうします? 目からも血を流したいのなら、喜んでクナイをその目に突き刺しますが。ワタリガラスは目玉が好きだそうですので、場合によっては彼らに食わせるのもいいかもしれませんねえ――?」
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