第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
ナルト
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えばっ」
「白眼使ったってナルトに教えちゃあ流石にルール違反だぜ、ヒナタ」
サクラが双方に警戒した視線を投げかける。慌てた顔で意気込むヒナタを、三班の隣でため息をつきながらマナが制した。ヒナタの顔がぱっと赤らむ。ネジがそんなヒナタを見て軽蔑したように鼻を鳴らし、ガイは日向が絡むとすぐ感情的になる弟子を眺めてため息をついた。
ついにナルトは、二人だけになった。
「やい、お前! 俺に変化して俺たちを混乱させてたのはお前だな!?」
「演技したって無駄だぞ! てめーが俺じゃないってのは、俺が一番よく知っているんだからな!」
双方がクナイ片手にぶつかった。一方のナルトの頬をクナイが掠り、血が流れる。しかしもう一方のナルトは――煙を巻き上げて、消えた。
「なッ」
「――ナルト!」
サクラが叫ぶのと同時に、上方からもう一人のナルトが降下してきた。首の根元をクナイでさされそうになったが、間一髪避ける。煙を巻き上げてその、ナルトにしては妙に残忍で理知的な顔をしたナルトが、変化をといてドスの姿に戻った。
「さあ……これで終わらせちゃいましょう!」
「ナルトくん!」
「くううん……」
――これをまともに食らったら、やべえ……!
――赤丸が警戒してる……こいつも多分相当の実力者だ。ドベのナルトにゃあ無理だよ……!
――ナルトくん……
――大丈夫、ナルトなら出来るわ。なんたって意外性ナンバーワンの忍者だもの!
――かかってからじゃもう遅い。さあどうする、ナルト
ナルトの、ドスのほぼ未知数に近い術へ対する焦燥。キバの、ナルトはきっと負けるだろうという判断。ヒナタの、窮地に立たされたナルトへの不安と、サクラのナルトとの絆とナルトへの信頼。そしてマナの、面白がるような声。それぞれの思惑が交わる。ナルトが下した判断は、
「影分身の術!」
ドスの音の攻撃を、己の影分身を盾に直接受けないようにする。カブトが見切ったはずなのにダメージを受けたことをナルトはちゃんと覚えていたし、もし今回カブトが辞退を申し出た理由が本物ならば、彼は五日間の間ずっとダメージがひかなかったということにもなり、つまりこれは見切ったとしてもなんらかの術によってダメージを与えられたりする上に、持続性の高い術であるということでもある。
ナルトもマナもドベとは言えど決して頭が悪いわけではない。マナはシカマルやサクラほどでもなくとも、賢い方ではある。はじめを博識とするのなら、マナは賢い、というべきだろう。そしてナルトはマナほど賢いわけでも、はじめほど博識なわけでもないが、これくらいの推論なら彼にも出来る。
「多重影分身の術!」
術によって更に大量の影分身を生み出し、ドスを取り囲む。先ほどのようにいっきに押し寄せてはまた同じ目
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