第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
ナルト
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なる。しかし瞬間背後から殺意を感じ取り、ドスは咄嗟に体をかがめた。九本のクナイがドスの体の真上を通過する。
「なるほど、これは影分身なんですね……!」
背後にたつ三人のナルトを一瞥して、ドスは呟いた。正面に倒れるナルトが煙を巻き上げて消える。
「それだけじゃないってばよ! 多重影分身の術!」
ナルトが一気に会場を埋め尽くすまでに増えた。これではどれが本物なのか判別できない。これほどまでに大量の影分身を生み出せるチャクラ量に感嘆しながら、ドスは脳内の情報の整理にかかった。
ドスは博識な少年であり、影分身というのがどういうものなのか理解していた。影分身と分身の差異は、影分身は消えた時に経験したことを本人に還元できること。経験値をためるのなら修行にはもってこいの術だが、相対的に疲労や痛みなどの体験も本体に跳ね返ってくる。
そしてこのような多重影分身とドスの術の相性は相当いい。ドスの攻撃は音によるもので、広範囲への攻撃も可能だ。チャクラを使って音の方向を制御できるというのもドスにとっては有利である。
「ぼっこぼこの――」
「ばっきばきの――」
「ぐっちゃぐちゃの――」
「こてんぱんに――」
「してやるってばよ!!」
ナルトの影分身たちは口々にそんなことを口にしながら、ドスの方へと飛び掛っていく。ドスの姿はナルトの衣服のオレンジに埋め尽くされ、全く見えなくなった。
「やった!」
ヒナタが顔を輝かせて身を乗り出す。しかしそれを否定したのはシノだった。
「いや――やられた、な」
「え?」
影分身が一人また一人と消え始めた。ナルト影分身の網の中にドスはいない。自分に変化したのだ、とナルトはそう結論を下した。一人のナルトがもう一人を殴り、一人が消える。ナルトたちは変化されたことに気づいたのだろう、ざわざわと喋りだし、仕舞いに互いを殴り始めた。
「お前ニセモノだろ!」
「そういうお前こそそうなんだろ!」
「ちげーよ、俺じゃねえって!」
「そういう奴ほど怪しいってばよ!」
「おい、やめろよ!」
騒ぎながら殴りあうナルトに満足しながら、ドスも相手をタコ殴りにすることに徹した。本来は音の攻撃で一掃してしまおうと思ったのだが、この方が自分には逆に都合がいい。殴られたナルトの疲れと痛みは経験として術者に反映されるはずで、殴り合いが長く続けば続くほどいい。そして残った本物に音の攻撃を使えばいいだけのことだ。
「このままじゃ相手の思う壺だわ……!」
警戒した表情になるサクラをよそに、ナルトたちの数は目に見えて減っていく。やがてナルトは二人になった。どちらかが本物のナルトで、もう一方はドスの変化であるはずだ。
「どっち……どっちがナルトなの?」
「びゃ、白眼を使
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