歌い手と笛吹き、出会う
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僕は白夜叉さんとの接触を絶っている黒い風に触れ、“音響操作”で音を伝えてクリアな会話をしている。
「ジン君、“契約書類”には何か書いてない?」
「少し待ってください・・・出ました!」
ジン君に契約書類を見せてもらうと、そこには次のように書かれていたので、そのまま白夜叉さんに伝える。
『*ゲーム参戦諸事項*
・現在、プレイヤー側ゲームマスターの参戦条件がクリアされていません。
ゲームマスターの参戦を望む場合、参戦条件をクリアしてください。』
「以上です。これ以上は何も記されていません」
「チッ・・・よいかおんしら!今から言うことを一字一句間違えずに黒ウサギに伝えろ!おんしらの不手際はそのまま、参加者の死に?がるものと思え!」
白夜叉さんは、普段のセクハラとかをしているときとは全然違う、緊迫した声を出している。
今は、それほどの非常事態なのだ。
「第一に、このゲームはルール作成段階で故意に説明不備を行っている可能性がある!これは一部の魔王が使う一手だ!最悪の場合、このゲームはクリア方法がない!」
「なっ・・・!」
「次は?」
飛鳥さんが言葉を失っているが、そんな暇はないので次を促す。
「第二に、この魔王は新興のコミュニティである可能性が高い!」
「了解。次は?」
判断材料などを聞きたいところではあるが、間違いなくそんな暇はない。
いつ、魔王側のプレイヤーが来るか・・・
「第三に、私を封印した方法は恐らく、」
「はぁい、そこまでよ♪」
そして、僕の懸念は当たった。
声のしたほうを振り返ると、そこには露出度の高い白装束を着た、耳の長い女性がいた。
そして、その後ろには“サラマンドラ”の火蜥蜴が三匹。
「あら、本当に封じられてるじゃない♪最強のフロアマスターもこうなっては形無しねえ!」
「おのれ・・・!“サラマンドラ”の連中に何をした!?」
「そんなの秘密に決まってるじゃない。封印に成功したとしても、あなたに情報を明かすほど奢っては」
「“音楽シリーズ”、ですよね?」
僕が会話を遮ってそう言うと、火蜥蜴の方たち以外が驚いたようにこっちを見る。
「奏、それは間違いないのか?」
「多分、間違いありません。自分のギフトですから、これくらいのことが出来るのは分かりますし・・・何より、この人は会話をしながらも小さく口笛で音楽を奏でていますから」
「へえ・・・やっぱり、耳がいいのね」
ラッテンさんは表情を面白そうなものに変え、会話を始める。
「まあ、魔笛の効果があるから吹き続ける必要はないのだ
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