第二十二話 〜邂逅 -Numbers.【暁 Ver】
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と指示されていた、魔導師の一人だった事を。暫しの時間が風と共に流れていく。やがて、アスナは。短く彼女達にこう告げた。
「……あなた達と戦うこと。そして倒すことに────」
──── 心が躍らない。
アスナはそれだけ言うと、両手を広げて重力に惹かれるままに──── 屋上から身を投げた。
……あと、おねがい。
ありがとう、アスナ。任せて。
屋上から落ちていったアスナと入れ替わるように、豊かな金糸を揺らしながら黒衣の女性が降り立つ。
「今度は誰っ」
「市街地での危険魔法使用……及び殺人未遂の現行犯で身柄を拘束します」
それを聞くやいなや、クアットロとディエチは躊躇なく逃走を図る。黒衣の女性──── フェイト・T・ハラオウンも逃走した二人を確保するべく屋上を翔びだしていった。
逃走した二人に警告を発しながらも冷静にフェイトは分析していく。一人は飛行魔法……もう一人は、冗談のようだが、ビルとビルを足場にして跳躍しながら逃走している。人間離れした身体能力。少なくとも……フェイトはそこまで考えて思い直した。憶測による決めつけは視野を狭くするものだ。捕らえてしまえば明らかになるのだから。
「相当に早い。振り切るのは難しい」
「そうですねぇ。余り手の内は明かしたくないんですが──── Silver Curtain.」
突如として、フェイトの視界から二人が幻のように消え失せる。驚きに目を見開くも、素早く思考を立て直す。
<はやてっ>
<補足しとるよ……位置確認や。詠唱完了。発動まで──── 4秒>
「了解っ」
フェイトは身を翻すと、スピードを上げその場を離脱する。それに巻き込まれない為に。
「今日はめっちゃ疲れるなぁ。『これ』を使うのも久しぶりや」
瞼を閉じれば……今は亡き彼女の面影。彼女から受け継いだ大切な言葉。これは本来、自分を中心として発動する魔法。だが、八神はやての資質である『遠隔操作』が遠く離れている海上からの発動を可能としていた。
「力、借りるよ……遠き地にて、闇に沈め────」
──── Diabolic Emission.
クアットロのISを解除し、地上へと降り立つ。だが、追ってくるはずの魔導師が追ってこない。単純に撒いただけかも知れなかったが、気配すら感じない状況を二人は不審に思う。
「完全に振り切った?」
不思議そうに顔を見合わせていた二人であったが、自分達の周りへ急に影が差した。
「な、なに?」
ディエチの動揺を他所にクアッ
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