第二十二話 〜邂逅 -Numbers.【暁 Ver】
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人多い。二人が全く同じタイミングで振り返ったそこには。
「え?」
「え?」
「……え?」
「誰っ」
見知らぬ少女がいた。抜けるような青空に──── 少女達のユニゾンが響き渡った。
桐生アスナが晴れ渡る空をひた走り、フェイトに指示された場所まで来てみると、そこはなんの変哲もない廃ビル屋上だった。屋上には自分と似ているスーツを着込んだ女が二人。一人はその上から白いコートを羽織っていた。スカリエッティの戦闘機人との初めての邂逅ではあったが、アスナはその事実を知らない。
アスナは二人の容姿などを全く憶える気が無かった為、映像と音声記録をボブに丸投げすると、フェイトの指示通り屋上へと降り立った。……『悪戯』と言う名のスパイスも忘れずに。
ディエチと呼ばれた少女は心の中で舌打ちをしながら、屋上の隅に置いてある『イメースカノン』を見やる。チャージは粗方終わらせてある。フルではないが、それでもS級の威力はあるだろう。構えて引き金を引くだけだ。ディエチは恨みがましい視線をクアットロへ送った。クアットロが余計な事をしなければ、ヘリはとっくの昔に堕とせていたものを。
二人が警戒していると、アスナは腰のポーチに手を回す。ディエチとクアットロが警戒を強める中、アスナが取り出したのは緑色の物体だった。
「……かめです」
「あ、うん。知識としてはあるけど……初めて見た」
「……すごい緑です」
「そうだね」
「……しまっちゃいますね」
「え、しまっちゃうの。何で出した。……いや、君は誰?」
「……ひとに名前をたずねるときは、じぶんから」
ディエチにはよくわからなかったが、そんな物かと納得する。言っておくが、そこで納得する時点でペースをアスナに掴まれているのだ。これが、ティアナであれば黙れの一言で終わる。
「わかった……あたしの名前は「……桐生アスナといいます」なんなのっ、もうっ。クアットロ! 笑ってないで助けてっ」
「ご、ごめんなさい、ディエチちゃん」
クアットロは本当に可笑しさを堪えるように肩を震わせていた。
<私が彼女の注意を引いている間にヘリを>
<わかった>
クアットロに念話で指示されたディエチはじりじりと、イメースカノンへと近づいていく。だが、そんなディエチの行動に目敏く気がついたのか、偶然かはわからないがアスナは何の気負いもなくディエチへと声をかける。
「……へんな、かっこう」
「そっちだって、あたし達とたいして変わらないよ」
「……絶対に、ゆるさない」
「え? なんでキレたの」
「えぇっとぉ。アスナちゃんでしたかぁ。飴食べます?」
「……たべる」
子
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