第二十二話 〜邂逅 -Numbers.【暁 Ver】
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何事か言葉を交わすと、太陽のような髪をなびかせながら空を駆けていった。
八神部隊長やなのはさんの意向で遊撃となったアスナは、その時の任務や状況で部隊長や隊長権限で自由に動かせる。先ほどの念話で別の任務を指示されたのだろう。
「どしたの、ティア?」
「ん。やっぱりあの娘は……青空を走ってる方が、らしいわ」
スバルは陽射しを遮るように片手を目の上に翳しながら、小さくなっていくアスナの背中を目を細めながら見つめる。
「そだね。……あんなアスナよりはずっと。ところで、さっきの新技だけど『稲妻駝鳥蹴り』とかどうかな」
「……凄くいいわ。流石スバルね」
「だよね」
満足げに頷くスバルから目を逸らし、こいつの最悪なネーミングセンスも何とかしなければと考えた。アスナが何処へ向かったかは、ヴィータ副隊長とリイン曹長が知っているだろう。取り敢えず、あたし達が今しなければいけないのは連中の確保だ。あたしはスバルを促しながらホルスターから愛銃を引き抜いた。
「……でっけー、ふんころがしな」
『確かにあれは……昆虫にしか見えないね。大きさは桁外れだが』
桐生アスナがフェイトの『お願い』を聞く為に空へ駆け上ると、眼下に巨大な昆虫が見えた。先ほどの地震の原因だろうと当たりをつける。アスナがどうしたものかと考えていると。
──── 我が求めるは、戒める物、捕らえる物。
その歌うような詠唱は
──── 言の葉に答えよ、鋼鉄の縛鎖。錬鉄召喚。
アスナの鼓膜を優しく震わせた。
──── Alchemic Chain.
それは鋼の鎖。一棟の廃ビル屋上に静かに佇むキャロから紡がれた『魔法』は生き物のようにそれへと絡みつき拘束する。
「……キャロはすごいな」
アスナは素直に感心した。自分がどれほど努力を重ねてもあのような魔法を使うことは出来ないだろうと考えた。
『キャロだけじゃない。今戦っているアスナの仲間は皆、凄いさ。勿論、アスナもだが』
「……なかま」
『違うのかい?』
アスナは何も答えず、走り出す。
『照れているのか?』
「……ボブ、うるさい」
アスナはそれが図星であるかのようにスピードを上げる。
『アスナ? フェイト嬢から指示された場所は……こっちだ』
「……はやく言え」
抵抗を試みたようだが少女と融合騎は、拍子抜けするほどあっさりと捕まった。アスナがぼろ雑巾にした人型……ガリューと言ったか。姿が見えないのが気にはなったが、恐らく送還したのだろう。思いの外ダメージが大きかったのかも知れない。あたし達の目の前
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