第二十二話 〜邂逅 -Numbers.【暁 Ver】
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─ アスナは壊れてしまう。
「ルールー、チャンスだ。ガリューを回収して撤退だっ」
「でも、レリックが……」
「……あの女も十分、ヤべぇけど……でかい魔力が近づいてきてる」
──── 轟音と共に天井が崩れ落ちた。
慣れ親しんだ魔力が五つ。ほっとしたのも束の間、すぐ傍に知らない魔力を三つ感じる。しかも……でかい。入り口を探すのも、もどかしい。あたしは慣れ親しんだ得物を握りしめながら、一番手っ取り早い方法を選択する。そう、一番早くあいつらの元へ行ける方法だ。あたしは何の迷いもなく振り上げたグラーフアイゼンを壁へ叩きつけた。
耳を劈く爆音と共に天井が崩れ落ちた。粉塵と瓦礫の飛雨の中から人影が現れる。子供と見紛うほどの体躯と真紅のドレスのようなバリアジャケット。ふわりと降り立つと、後ろで一本にしている三つ編みも同じように揺れた。彼女の傍には妖精のような人影が寄り添っている。……ヴィータ副隊長とリイン曹長だった。
「みんなっ、無事か」
「お二人とも、何故こちらに?」
「……あたしとリインは空で暴れてたんだけどな。はやてに言われて、おまえたちの助っ人に来た。なのはとフェイトはヘリの護衛に向かってる。でだ……」
ヴィータ副隊長はあたしの疑問に手早く答えると、地下水路を支えている幾つかある柱の一つを見据える。瞳は鋭く糸のように細められていた。
「出てこい……それとも柱ごとぶっ飛ばしてやろうか?」
ヴィータ副隊長が油断なくデバイスを構えながら、言い放つ。あたし達全員の視線が集まる中、柱の陰から文字通り影のように姿を見せたのは────
「子供と……融合騎?」
出てきた人影は二つ。一方はリイン曹長とほぼ変わらない体躯で、燃えるような赤い髪が印象的だ。恐らくはユニゾンデバイスだろう。先ほどの『人型』がもう一人の子供……少女を守るように移動する。少女はそんな人型の行動を当たり前だと考えているのか、全く表情を変えない。色素の薄い長髪と相まって、本当の人形のようだ。人型の行動から考えて、あの少女がマスター。……妙な組み合わせだ。エリオやキャロと変わらない年端もいかない少女。その使い魔、もしくは召喚されたモノ。そして、ユニゾンデバイス。
特に抵抗するような素振りを見せないのを不審に思ったが、取り敢えず拘束しようと動き出そうとした時、リイン曹長の慌てたような声が聞こえた。
「アスナちゃん? アスナちゃん、どうしたですかっ」
しまった。と思った時にはもう遅かった。リイン曹長が先ほどから片膝をついたまま、動かないアスナへと近づいていく。不味い、今のアスナに近づくのは不味い。
「リイン曹長っ、今アスナに近づ
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