一部【スサノオ】
十六章【特務ギルド】
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なんでもそんな確率をどうにかできるとも思えない。
…そう、俺はあのGに言われた言葉で先入観から疑心暗鬼になっていただけだ。実際ウォルター博士は良い人だし、彼が何かを企んでいるとしたら彼の俺たちへの行動はすべて彼自身に何のメリットもない事じゃないか。
考えすぎなのだと今一度自分自身へ言い聞かしウォルターへと目を向けると、零に疑惑の目を向けられていたとも気が付かづに相変わらず陽気な笑顔を浮かべている。
「確かに今の所君たちの力は必要ないよ。…今のところはね」
「どういう意味ですの?」
いいかい、とウォルターはクラウリーへと歩み寄り説明を始める。
「少し真面目に話をするよ。……この事件は僕が引き起こした僕の罪だ。だから僕はこの事件は僕が全力で解決する。正直最初はこれ以上君たちを巻き込もうとは思っていなかったよ…でも、あのオンショウ達を見て今も尚君たちがフロンティアを続けているのは君たちもスサノオの件に関して責任を感じて自分たちで何とかしようと思っているからじゃないのかい?」
「当然だろ…あれはオンショウにトドメを刺し損ねた俺たちの責任だし」
そう言うジャックの方へと顔を向けると、ウォルターはそれは違うと首を振る。
「でも、君たちにもし強くスサノオを倒したいと思う気持ちがあるのならその思いの力を僕に貸してくれないかい?…正直、スサノオの力を測りかねているブラザーフッドのメンバーでは到底討伐が成功するとは思えないんだよ。…だからこそ、あのスサノオと対峙してまだヤツを倒したいと思ってくれているならば…僕に力を貸してくれ」
「私からも…お願い……します」
真面目な顔をするウォルターと、深々と頭を下げるティティ。
「ウォルター博士はともかくとして、なんでティティさんまでそんなに頭を下げますの?」
「私も…フロンティア好きだから……メチャクチャにされたくない…の」
下げた頭をゆっくりと上げたティティのその瞳はなにか強い想いのようなものに満ちている。
それが一体なんなのかは知る由もないが…
「2人とも、どうしますの?」
「俺は別に入ってもかまわねぇよ?別に問題があるわけじゃないしな」
ジャックもクラウリーも、ウォルターとティティの表情に既に気持ちを固めていた。
そして、零も…
「俺も……俺も入ります」
零の言葉に、にっこりと笑顔を見せるティティ。
「ありがとう…」
「い、いえ…」
照れを隠し顔を背ける零。
「僕からもお礼を言うよ。…ありがとう。君達なら引き受けてくれると信じていたよ…」
と、ウォルターは腕輪を操作し『多人数転送システム』を起動させる。
《ゲームマスター権限、多人数転送システム起動確認…》
《対象のユーザー
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