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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百二十三話:辛い記憶に上書き
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か。なら、良かった。お前が止めてもあれは許せなかったが、少しでも、嬉しいと思ったんなら」
……暴力を喜んでるみたいで、断言できなかったけど。
かもって言ったのは、少しだったからじゃないんだけど。
「……嬉しかったのは、少しじゃないけど。でもやっぱり、暴力は良くないよ」
正当防衛ならともかく、今回は違うし。
「わかってるよ。だから、我慢しただろ。出来るところまでは」
「……」
確かに、手を出す前の段階でかなりヤバそうだったけど。
でも最終的に手を出すなら、同じなのでは。
「なんでも限度はあるだろ。見逃せる限界を超えてきたから、殴った。同じことがあれば、これからもそうする。お前には悪いが」
「……」
確かに、あそこまで言われることもなかなか無いと思うけど。
村長さんやカールさんは勿論、理不尽お兄さんだって自分が正しいつもりで、こちらを悪者だと決め付けてたからこそ、悪気も無くあそこまで言ってきたわけだから。
狭い世界で生きる、視野の狭さゆえに。
普通の視野の広さを持ってる人間なら、あそこまで言えば事を荒立てるってわかるから、その気が無ければ普通は言わない。
だから普通なら起こらないはずのバイオレンスな展開にまで、至ってしまったわけで。
……うん、今回は仕方なかった。
と、いうことにしよう。
「……わかった。同じことがあったら、私はやっぱり止めると思うけど。でも、わかった」
「無駄だから、止めようとしなくていいんだが。ピエールがなんとかしてくれるだろうから、俺もわかった」
「……止めないと、限界の基準が下がるでしょ?止めるよ、やっぱり」
「そうか。そうだな」
認めるのかよ!
……まあいい、言っても仕方ないし、私のするべきことはわかったから、もうこの話はいいことにしよう!
「あ、あと。村の男の子にプロポーズされたときも。私が言うよりもいい結果になったみたいだし、あれも、ありがとう」
「……あれか……」
思い出してまたお礼を言う私に、なぜか苦々しい声を出すヘンリー。
あれ?
大人の余裕的なものを醸し出して爽やかに対応してたのに、なんで?
疑問に思って見上げると、ヘンリーが忌々しそうに呟いてます。
「……あの、マセガキが……胸に顔を埋めて、腰に抱き付いて、笑いかけられてその気になるとか……ガキじゃなかったら、あれも殺ってたのに……」
またなんだか、不穏な空気が。
「……ヘンリー。……子供だよ?相手は」
抱き締めるとか、子供じゃなければ私だってやってないけど。
なのに子供じゃなかったら殺ってたとか、前提がおかしくないか。
「……わかってるよ。だから、ちゃんとしただろ。子供用に」
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