第20話 未来の展望
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
日のために着々と準備を進めつつあったのだ。
* * *
――新帝都フェザーン 獅子の泉宮殿――
「首尾はどうなっている?」
「はっ、現時点における宇宙艦隊の総数は約50万隻。これに加え、移動要塞はイゼルローン級2、ガイエスブルク級5、テスタメント級1、レンテンベルク級1、アルコート級4、他中小8が稼働状態にあります」
以前、アドルフは旧ロアキア領の全てを制圧したら一息つくと言っていたが、それは一息つき準備が整ったら再開することを意味していた。
「ふむ……まあ現状ではそんなところだろうな。だが、ティオジアへと攻め込むにはまだ足りん。必ず介入してくるであろうルフェールのことを考えれば実働戦力として最低でも30万隻、できれば40万隻近くは欲しいところだ」
「っ! しかし、40万隻も遠征軍に引き抜いては……」
「4年だ。4年を目処に宇宙艦隊を55万〜60万隻まで拡張する。それだけあれば問題あるまい。それに、その頃にはドーバー要塞やゴリョウカク要塞も完成しているだろう」
「………ロアキアを得た以上、4年間もの準備期間があれば確かに可能だとは思いますが……正気ですか?」
「もちろんだ、敵にイゼルローン級やガイエスブルク級に匹敵する移動要塞を建造されてからではこちらの損害も馬鹿にならん。が、僅か4年でそのクラスの要塞を建造するのは不可能だろう。それに、旧ロアキア領の統治政策も思いの外順調なのでな。やはりメルセリアとオルテシアを妃とし、多くの貴族どもを取り込んだのが上手くいったようだ」
そう言ってほくそ笑むアドルフ。
確かに、かつての銀河帝国ならいざ知らず、自由惑星同盟にロアキア統星帝国という二大国を取り込んだ今の銀河帝国ならそれだけの数を捻出するのは不可能ではない。
それも、ティオジアを征服するまでの一時的なものだ。
戦争が長々と続けばその負担は大きいものとなるが、アドルフはティオジアとの戦いを一撃で決するつもりであり、その為の大規模動員でもあった。
ティオジア連星共同体のような複数の国家の連合は、その性質上、加盟国の国家を戦略的観点であっても見捨てることはできない。
そんなことをすれば、共同体はあっさりと崩壊するだろう。
故に、いずれかの国家を直撃するような進路を取ればティオジア軍は地の利を捨ててでも銀河帝国軍の前に立ちはだかるしか選択肢は無い。
万一そうならなければ、1国ずつ順に落としていくだけのこと。
各国の連合軍であるティオジア軍の空中分解は避けられない。
「くくっ、4年後が楽しみだ」
アドルフは来るべき未来を思い浮かべ、もう一度笑みを浮かべた。
* * *
「これが新しい旗艦か!」
銀河帝国軍
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ