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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百二十一話:信じるということ
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み付けて。
「……なんだべ。どうせあんたも、浮かれた田舎もんさ見て、笑ってたんだべ……?殴りたければ、いくらでも殴ればいいだ。それで、気が済むならな」
吐き捨てるようなカールさんの言葉に、ヘンリーが激昂します。
「……こんなもんで、気が済むわけあるか!!お前らの勝手な都合で振り回して、無遠慮に近寄って、……あり得ないやり方で確認なんかしやがって!!そんな真似しておいて図々しく言い寄って、勝手に思い込んで被せてたイメージと違ったら、今度は手のひら返すのか。これのどこに、笑えるところがある?俺は最初から、お前なんかに関わらせたくは無かった。ドーラがどう言っても、関わらせるんじゃ無かった!」
掴んだ胸ぐらをさらに締め上げながら怒りを爆発させるヘンリーに、カールさんが戸惑いを見せます。
「……思い込み、だ?……だども、現に」
「お前にわかるように、説明してやる義理は無い。お前なんかに、ドーラの価値はわからなくていい。いつか気付いて後悔するか、気付かないまま死ぬか。そんなことも、どうでもいい。ただ、勝手に振り回して傷付けたお前を、俺が許せない。だから、殴る。気は済まないが、それで終わりにしてやる。歯、食い縛れ」
カールさんの戸惑いをヘンリーが冷たく切り捨てて、カールさんが焦ったように声を上げて。
「……ま、待ってけれ!おら、なにか」
「話は終わりだ。行くぞ」
予想以上のヘンリーの怒りっぷりにまた呆ける私の前で、惨劇は繰り返されました。
手加減の程度に差があったのか無かったのか、理不尽お兄さんよりは随分時間がかかったような気がするところで、またピエールがヘンリーを止めて。
「ヘンリー殿。そこまでです」
「……まだ、殴り足りないが」
不満げながらも、先ほどよりはかなり冷静な様子のヘンリーが、ひとまず手を止めます。
「それ以上やれば、意識を失います。何も、楽にさせてやることも無いでしょう。ここが、頃合いにござる」
「……そうか。わかった」
「この者であれば、薬草は三つほど
要
(
い
)
り用ですな。念のため、五つほど置いてゆけば問題無いでしょう」
……ピエールさんは、慣れすぎだと思います!
なんで、そんな淡々と!
やり慣れた簡単な作業でもこなすかのように!!
そんなことを思って戦慄する私の前で、また作業的にピエールが薬草を放り投げます。
「武士の情けにござる。ドーラ様に働いた無体を思えば、
此奴
(
こやつ
)
こそ殺しても殺し足りないところにござるが。ドーラ様のためを思えばこそ、それは出来ぬゆえ。ドーラ様のお優しさに、生きている限り感謝することにござる」
なんだかまた、不穏な言葉を吐いてますが。
「……あの。……無体って。……ピエール、知ってた、の?
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