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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百二十一話:信じるということ
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を?
 あなたが望んだ通りの私であることを?
 あなたが望んだ通りに、世界が動いていくことを?
 私が、あなたの思う通りに動くということを?

 ……それをあなたは、信じるって呼ぶんだ。

「……私は。そんな人間だと言った覚えはありません。あなたの理想を、私に押し付けないでください。迷惑です」

 私なら、そうは呼ばない。
 勝手に相手を理想の枠に当て嵌めて、そう思い込むことを、信じるだなんて。

「……おらを。おらを、騙してただか……?」

 振り絞るように呟く、カールさん。

 思い込まれてるのを知ってて訂正しないのを、騙すと呼ぶならそうだけど。

「……私は。何も、嘘は言っていません」

 勝手に思い込んだのが悪いとは思うけど、訂正しなかった私が全く悪くないなんて、言い張るつもりも無い。

 カールさんが顔を上げ、自嘲的な笑みを浮かべます。

「……はは。結局、アイツの言った通りだっただか。強くて綺麗で可愛くて、おまけに気立てもいい都会の娘っ子に会って、おらだけ浮かれて。ドーラさんは、そんなんでねかったのに。……誑されたようなもんだっただな、これでは」

 あなたを誑そうなんて、そんなつもりは全く無かったけど。
 あなたから見れば、そうかもね。
 思い込みの強い、あなたから見れば。

 諦めきって冷えた目を向ける私とは対照的に、ヘンリーの怒りはまた燃え上がってきたようです。

「……おい。何を、勝手なこと」
「……ヘンリー。いいから」

 この人にどう思われても、もうどうでもいいから。
 だから、私のために怒らないで。

 そう思いながらヘンリーの腕を掴む私に、軽蔑したような目を向けるカールさん。

「……ドーラさん。……見損なっただ」

 掴んだヘンリーの腕が、怒りに震えます。

 ……不味い。
 これは、完全に不味い。

「ヘンリー、お願い」

 殴ったって、何かが変わるわけじゃ無いんだから。
 私のために誰かを傷付けたり、誰かが傷付けられたり。
 そんなのは、見たくない。

 腕を掴む手に力を込めて、懇願するように顔を見上げますが。

「駄目だ。次は無理だって、言ったよな?」

 きっぱりと、言い切られて。

「だけど、さっきも」

 殴って、それで気まずそうにしてたところなのに。

「それはそれだ。一応謝る、すまん」
「ヘンリー!!駄目!!」

 振り払われた手をまた伸ばして捕まえようとするのを、またピエールに阻まれて。

 あっという間も無くヘンリーがカールさんを殴り飛ばし、吹き飛んだカールさんの胸ぐらを掴んで持ち上げます。

 悲鳴も上げずに堪えたカールさんは、掴まれて苦しそうにしながらも、ヘンリーを睨
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