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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 J
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らか。」
そう言いながらも、えり好みしている場合ではないと判断し、奥義の基盤をくみ上げていく。
「軸にする武器がないが・・・それについてはこいつで代用するとして・・・なら、いっそこうアレンジしてしまえば・・・」
そうして基盤をくみ上げていく豊の顔は、不気味な笑みを浮かべていく。
近くに人がいたなら、通報されているレベルだ。
「よし、出来た。ぶっつけ本番になるが、それもまた一興だな。」
そう言って、豊は言霊を唱える。
「さあ、蒐集されし全ての妖よ。妖を蒐集せし目録よ。汝らは、今姿を変える。」
豊が手に持っている白澤図は姿を変えていき、その中身は墨の姿で豊の周りを回る。
「我はここに武具を望む。敵を穿ち、妖の力を振るい、その身を蒐集する武具を望む。」
そして、白澤図は槍に姿を変え、墨はその槍に吸い込まれていく。
「さあ、大いなる武をここに表せ!」
そして、豊の手には白黒の槍が握られていた。
「やはり・・・このような野蛮なものは性に合わんな。まあ、必要である以上は仕方ない、と割り切るとしよう。」
豊はそう言いながら、片手で槍を構え、支えきれずに地面に落とす。
「・・・中身を使ってブーストすれば、いけるか。」
再び槍を拾い、今度は槍の石突きから墨を噴出することで問題なく槍を空に向けて発射し、龍にあてる。
『ぬ・・・これは・・・』
「ほう・・・やりましたね、豊。」
龍は体に刺さっている槍を興味深そうに見て、前は豊の元に降りてくる。
「後少しすればシンは問題なく蒐集される。」
「のようですわね。見たところ、無理矢理に法螺抜けをした影響で存在は弱まっているようですし。」
『ははは・・・よき戦いであった!礼を言うぞ、陰陽師たちよ!』
そして、シンは完全に槍に吸い込まれ、本の姿に戻った白澤図が豊の手に戻ってくる。
一番後ろのページを開くと、そこには蜃気楼に包まれる大蛤、シンが描かれていた。
「蒐集完了。これで、万事解決だな。」
「此処は、と付きますがね。」
こうして、二つ目の戦いも、終了した。
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