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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 J
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けることもできます。少しは攻撃ができるでしょう。豊はどうにかして倒せるだけの手段を準備してください。」
「分かった。何とかして手段を探してみよう。」

前は返事を聞きすらせずに空を駆け、龍へと迫る。

「さあ、貴方の相手は私です、シン!」
『よかろう!いざ参ろう!』

龍は火の玉を、前は青い火の玉をぶつけ合い、体当たりをし、前が尾で突き刺せば龍は牙で噛み付き、という怪獣バトルが繰り広げられる。

『その狐の力、稲荷のものだな!あやつ、人と交わっておったか!』
「私の家の祖先と交わりました。といっても、子を残してからはすぐに神域に戻りましたが。」
『あやつも物好きよな!人なんぞと交わるとは!』
「他にも、猫多羅天女が人と交わったそうですよ。私には関係ありませんが!」

なお、他にも人と交わった霊獣の例は存在し、現在進行形で人と共に暮らす霊獣も、日本に一体だけ存在する。

「さて・・・後どれくらい時間を稼げばよいのでしょうか・・・」



        ================



「さて、任されたものの・・・龍ほどの存在をどう対処するか・・・」

豊は白澤図のページをめくりながら、そう漏らした。
呑気なように見えるが、白澤図とそこに蒐集されている妖怪こそが豊の武器。それを確認するのは必要なことなのだ。
それに、今シンの興味は前にむいているので、豊にとっての脅威は一切いない。
強いて言えばザコの妖怪が大量にいるが、そいつらは一定範囲内に近づくと白澤図に蒐集されていき、近づくことすらできず、ひたすらに武器を与えてしまっている。

「少なくとも、この中には対処出来そうな妖怪はいないな。かといって、すぐに手に入るようなザコでは意味がない。」

そう言いながらも蒐集範囲を広げていく辺り、諦めが悪い。

「次に奥義だが・・・俺が編み出したものも、陸上での戦いを想定したものだ。よって、これもまた対象外。遠距離に向けて放つことが出来る唯一の攻撃は蒐集だが、龍相手に通じるはずもないから対象外・・・万策尽きたな。」

本気で何もないようで、豊は白澤図を閉じ、ポケットからスマートフォンを取り出し、いじりだす。
少しいじると、画面にはある古文書、鬼道の奥義にかかわる古文書のコピーが写される。

「だとすれば、何か新しい手段を生み出すしかないな。なにか・・・興味があるものは多いが、すぐに使えるものではないな。また『型破り』に聞くとしよう。」

こんな時だというのに好奇心のことを優先する。
まあ、新しく作り出した奥義は全て好奇心からのものなので、好奇心を出すのは間違ってないだろう。

「・・・お、これならいけそうだな。何故今まで作っていなかったのか・・・ああ、俺には合わないと判断したか
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