TURN107 母と娘その六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「洗脳は解けました」
「ご苦労だったな」
「洗脳が解けてよかったですけれどね」
それでもだというのだ。
「いや、あんな意志の強い人っているんですね」
「彼女の意志の強さは半端じゃない」
だから洗脳されるとかえってだというのだ。
「鉄の女とさえ言われている」
「鉄でした、本当に」
「そして妻はダイアだ」
鉄どころではなかった、自然にあるもので最も硬いものだというのだ。
「君と総統さんの二人がかりでもだ」
「洗脳を解くことは難しいんですね」
「そうだ、だから彼女に関してはだ」
「長官ご自身がですか」
「俺と真希でだ」
二人でだというのだ、家族で。
「何日もかけてやってみる」
「御願いしますね、今日は私も疲れましたから」
顔全体に疲れが出ている、目の下にはクマがある。
「総統さんも自室に戻られて休まれています」
「総統さんにも苦労をかけたな」
「本当に頑固な人でしたから」
だからだというのだ。
「それに一つわかったことですが」
「わかったこと?」
「はい、コロネアさんはそもそも生粋の資産主義者でしたね」
「妻の秘書も務めていて企業の経営も出来るからな」
「資産の運用もお見事だとか」
クーの得意分野だがそれでもだ。
「そうした方が資産主義から共有主義に変わられるとは」
「普通はないな」
「どうもカテーリン書記長と合われて」
それでだというのだ。
「その左手の石を見せられて」
「それでか」
「カテーリン書記長の言葉に無批判に頷き賛同する様になったそうです」
「他の共有主義者と同じだな」
「本当に共有主義は冷静に勉強すると問題が多いんですよ」
それが共有主義だというのだ。
「けれどあの時はカテーリン書記長が絶対に正しいと思って」
「それでか」
「はい、共有主義を信奉していました」
完全にそうしていたというのだ。
「何かそれを考えますと」
「石か」
「はい、あの石に問題がありますね」
「そうだな、彼女はスカーレットと二人で書記長に会ったとのことだが」
そして二人で見たというのだ。
「共有主義が広まったのはあの石のせいか」
「そう思います」
「あの石さえなければな」
「共有主義は広まりませんでした」
そうなったというのだ。
「私もそう思います」
「洗脳だな、本当に」
「スカーレットさんもですね」
「時間がかかる」
彼女のその洗脳を解くにはというのだ。
「明日もだ」
「はい、洗脳を解く為にですね」
「じっくりと家族団欒の時を凄そう」
「そちらを御願い出来ますか」
「そうさせてもらう」
こう話してそしてだった。
東郷は真希と共にスカーレットと再び家族の時を過ごした、それ自体は非常に楽しく有意義なものであった。
だが
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ