第七話「ドクター・ワイリー/Dr・W」
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上遅れてしまい、アルフとは合流できず、あらかじめアルフに発信器を持たせておいたので先回りしてきたらしい。そして、目の前で拷問を受けているフェイトを見たのだ。
「情けないところを見せたな……部屋に、俺の師匠が居て……」
「アンタに、師匠が居たのかい……?」
「心配するな、俺よりもフェイトだ。彼女は無事だ……」
「何言ってんだい!あんたもそれどころじゃないみたいだよ!?」
「心配するな……この程度の傷は……」
「ほら、あんたもあたしの肩につかまりな?」
「……すまん」
ゼロはフェイトの片方の肩につかまり、アルフはフェイトにも叫んだ。
「酷いよ……あの女、酷過ぎるよ!?フェイトはちゃんと言われたとおりの物を取って来たじゃないか!?」
「……仕方ないよ…母さんは私のことを思って……」
しかし、フェイトは傷つかれようとも弱った声で母を庇うことを言う。
「思っているものか!そんなこと、あんなのただの八つ当たりだ!!」
「フェイト……目を覚ませ、あんな行為はただの虐待にすぎない……」
アルフも、ゼロもそう言うが、それでもフェイトは構わず、
「ちがうよ……だって、親子だもん……ジュエルシードは、きっと母さんにとって凄く大事な物なんだずっと一人で悲しんできた母さんなんだから……わたし、何とかしてあげたいの……」
「しかし……!」
ゼロが彼女の間違った認識を否定しようとしたが、フェイトは自分の足で立つと、ゼロの頬に手を添えた。
「ゼロ、お願い……もう大丈夫だよ?心配しないで……ジュエルシードを全部持ってきたから、きっと母さんも喜んでくれる。昔みたいに優しい母さんに戻ってくれる、きっとアルフやゼロにも優しくしてくれるよ……ゼロ、この任務が終わったら…一緒に暮らそう?」
「フェイト……」
フェイトはマントをし、再びあの世界へ舞い戻る。
「今度こそ、絶対に失敗はしない!」
*
夕暮れ時、タケルは空いた時間で恭介や士朗に頼んで今朝の復習をしていた。
「このっ……」
今のところ士朗さんの木刀を何回か避けることはできたが、やはり長男である恭也さんの木刀は美由紀さんや士朗さんよりも素早い。心眼を使わずとも数回ほど避けることはできるが、やはり気迫に寄って体が固まってしまうこともある。
「うん、だいぶ良くなった……しかしタケル君は凄いな!今日で俺や父さんの素振りを見切るなんて。ここに来る前に何か武道でもしていたのかい?」
恭也さんが驚いて僕をそう評価した。
「いえ、僕は……生まれつきこういう体質なので……」
「え?」
「それよりも、タケル君。君はどうして反射力と心眼を鍛えているんだい?もしよかったら理由を聞かせてくれないかな?」
士朗さんはそう僕に尋ねた。僕は、どう言えばいいのかとにかく自分のなりに答える。
「……渡り合えたい人がい
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