第七話「ドクター・ワイリー/Dr・W」
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、この世を支配しようとしている。何としてもワイリーと、モデルZの適合者を抹殺しなくてはならない。被害が広まる前にね……?」
ブルースさんが言った。けど、僕はゼロ君とは戦いたくない!悪いのはワイリーという人でゼロ君は関係ないと思う……ああして強がっているけど、彼の瞳だけは孤独に見えた。まるで昔の僕のように心が弱っているんだ。本当は誰かに助けを求めているんだ……誰かのいいなりになりたくないって?
「博士……?」
「タケル?」
「博士……モデルZは…ゼロ君とは戦いたくないんです。悪いのはドクター・ワイリーであってゼロ君はその人に操られているんだと思うんです……」
「タケル……」
「ゼロ……?」
すると、ブルースさんは僕が言ったモデルZの適合者の名に心当たりがあった。
「タケル君、そのモデルZの適合者の名前はゼロっていうんだね?」
「え……はい」
ブルースさんは博士へそれを述べる。
「博士、御聞きになりましたか!?」
「うむ……奴め、事もあろうに自分の孫を?」
「え、どういうことですか?」
僕は何が何だかさっぱりわからなかった。
「タケル君、ゼロ君はワイリーの孫息子なんだ」
と、ブルースさんが答えると、僕は驚いて声に出してしまった。
「え、え!?」
「ゼロ君は十年前、両親がライブメタルの研究中事故で亡くなり、祖父のワイリーによって拾われた。しかしその後ワイリーは自信が開発したモデルZを持ち出して研究場から逃げ去った……」
一通りの事情を聴き、僕は少し黙った。もしかしてゼロ君は自分のお祖父さんと同じ目的で行動しているの?いや、違う!もしそうならあんな寂しい目をしているはずがない!きっと、訳があるんだ、僕にもわからないけど……ゼロ君はこれ以上お祖父さんに従いたくない風に見える。あのとき、僕の声を聞いて一瞬戸惑ったんだ。ゼロ君だってこのままじゃいけないことぐらい気付いているはず……
「博士、僕はゼロ君を説得させたいんです……」
「ゼロを?しかし、彼はワイリーの……」
「でも、ゼロはやりたくてやっているんじゃないんだと思います。あの事戦った時、ゼロ君の目を見ました。とても孤独で悲しい目をしていたんです。僕も、前までは同じような目をしていたから……」
「タケル……」
「タケル君……」
二人は僕を見た。そして博士が僕にこう言う。
「……なら、信じて自分らしく戦いなさい?だが、ゼロ君と対等に戦うには強い反射神経と、それによる間合いが必要だ。Zセイバーの功撃は特に機動力が申し分ない。心の神経を鍛えなくてはならない」
「心の神経……?」
「何かわしも協力してシミュレーションを開発しよう?」
「ありがとうございます、でも心当たりがありますから、もしそれがダメだったときはその訓練機をお願いします」
「心当たり?まぁ、そこは君に任
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