暁 〜小説投稿サイト〜
空を駆ける姫御子
第二十一話 〜休日と嫌な予感 後編【暁 Ver】
[7/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
後方へと疾走した。





 お互いに背中を合わせながら、大空に悠然と佇む白と黒。その佇まいは歴戦の勇者と言っても過言ではない姿だった。なのはとフェイトが航空機型のガジェットと交戦を始めて暫し。六課の司令室を混乱に陥れる事態が発生する。

 どこからともなく……そう、どこからともなくだ。六課のレーダーに突如として、六十を超えるガジェットの機影が映し出された。判定は──── 全て実機。桜色の弾丸が次々とガジェットを撃墜していく中、その幾つかが、蜃気楼のように揺らめきながら消えていく。

「実機と幻影の混成……」

「そうみたいだね……しかも恐ろしく精度が高い。どうしよっか、フェイトちゃん。全部叩き墜とせば良いだけの話だけど」

 なのはらしい物言いに、フェイトは苦笑しそうになる。

「どう思う? なのは」

「明らかな陽動だね……目的は多分、地下かヘリ」

「どっちに行くかは、なのはに任せる」

「どう言うことかな、フェイトちゃん」

「私が残る。なのはは行って」

「フェイトちゃん」

 なのはの真剣な声に顔を引き戻すと、フェイトの耳に入ったのは意外すぎる言葉だった。

「それ、死亡フラグ」

「……なのはは、最近アスナにちょっと似てきたね」

「うそ、でしょ」

「そういう所」

 フェイトはがっくりと肩を落とす。

「……しつれいなことを、いわないでください」

「や、やめて、なのは。に、似てるけど」

「不思議だよねぇ。アスナが六課に来てまだ、二ヶ月くらいしかたってない」

「そっか……まだ、それくらいなんだ。ずっと前からいるような気がする」

 フェイトは考える。桐生アスナと言う名の少女のことを。多かれ少なかれ六課の人間は影響を受けているようだ。一番変わったのは──── エリオとキャロ。二人とも変に大人びていたが子供らしくなったと同時に、精神的にも成長したようだった。ならば……近いうちに皆に話した方が良いかも知れない──── エリオとキャロのことを。そして……私のことを。

「少し、恐いけど」

「大丈夫だよ、フェイトちゃん」

 なのはは、フェイトへと破顔する。根拠のない大丈夫など信用に足るものではないが、高町なのはが口にする『大丈夫』には不思議な力があった。暫し見つめ合う二人。そんな空気に水を差したのは

『仲がええなぁ、お二人さん』

 空間に出現したスクリーンの中にいたのは。バリアジャケット(騎士甲冑)を纏った──── 八神はやてであった。





 狭い地下水路に、クロスミラージュの銃声が木霊する。ティアナが一機、二機と撃破すると同時に、エリオがストラーダを構え疾風の如くガジェットに迫り、突き裂いていく。そん
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ