第二十一話 〜休日と嫌な予感 後編【暁 Ver】
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後方へと疾走した。
お互いに背中を合わせながら、大空に悠然と佇む白と黒。その佇まいは歴戦の勇者と言っても過言ではない姿だった。なのはとフェイトが航空機型のガジェットと交戦を始めて暫し。六課の司令室を混乱に陥れる事態が発生する。
どこからともなく……そう、どこからともなくだ。六課のレーダーに突如として、六十を超えるガジェットの機影が映し出された。判定は──── 全て実機。桜色の弾丸が次々とガジェットを撃墜していく中、その幾つかが、蜃気楼のように揺らめきながら消えていく。
「実機と幻影の混成……」
「そうみたいだね……しかも恐ろしく精度が高い。どうしよっか、フェイトちゃん。全部叩き墜とせば良いだけの話だけど」
なのはらしい物言いに、フェイトは苦笑しそうになる。
「どう思う? なのは」
「明らかな陽動だね……目的は多分、地下かヘリ」
「どっちに行くかは、なのはに任せる」
「どう言うことかな、フェイトちゃん」
「私が残る。なのはは行って」
「フェイトちゃん」
なのはの真剣な声に顔を引き戻すと、フェイトの耳に入ったのは意外すぎる言葉だった。
「それ、死亡フラグ」
「……なのはは、最近アスナにちょっと似てきたね」
「うそ、でしょ」
「そういう所」
フェイトはがっくりと肩を落とす。
「……しつれいなことを、いわないでください」
「や、やめて、なのは。に、似てるけど」
「不思議だよねぇ。アスナが六課に来てまだ、二ヶ月くらいしかたってない」
「そっか……まだ、それくらいなんだ。ずっと前からいるような気がする」
フェイトは考える。桐生アスナと言う名の少女のことを。多かれ少なかれ六課の人間は影響を受けているようだ。一番変わったのは──── エリオとキャロ。二人とも変に大人びていたが子供らしくなったと同時に、精神的にも成長したようだった。ならば……近いうちに皆に話した方が良いかも知れない──── エリオとキャロのことを。そして……私のことを。
「少し、恐いけど」
「大丈夫だよ、フェイトちゃん」
なのはは、フェイトへと破顔する。根拠のない大丈夫など信用に足るものではないが、高町なのはが口にする『大丈夫』には不思議な力があった。暫し見つめ合う二人。そんな空気に水を差したのは
『仲がええなぁ、お二人さん』
空間に出現したスクリーンの中にいたのは。バリアジャケットを纏った──── 八神はやてであった。
狭い地下水路に、クロスミラージュの銃声が木霊する。ティアナが一機、二機と撃破すると同時に、エリオがストラーダを構え疾風の如くガジェットに迫り、突き裂いていく。そん
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