第二十一話 〜休日と嫌な予感 後編【暁 Ver】
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「今、騎士カリムに苛められていたところだよ。合同捜査会議は、もう?」
「はい、滞りなく。……苛められていた、とは?」
「苛めてなんていませんよ? 丁度、六課の運営面のお話が済んだところなの。今から、これからの任務のお話をするところ。あなたも同席して聞いてね」
見事に誤魔化しきったカリムにクロノは呆れながらも苦笑を禁じ得ない。その時、テーブル中央にコール音を響かせながらスクリーンが浮かび上がる。
「はやてからの直接通信?」
はやてからもたらされる情報に、カリムは静に耳を傾けていた。発見された謎の少女。持っていたレリック。発見されていないレリックが存在し、市街地での戦闘になる可能性。カリムの五感に訴えかけるように──── 第六感が警鐘を鳴らす。
──── 楽しい時間って長く続かないのね
「場合によっては……クロノ君に、奥の手を頼むかもしれへん」
「そうならないことを祈るばかりだな……」
「シグナムも現場に戻った方が良いわ」
「了解しました、騎士カリム」
カリムは思う。願わくば──── この嫌な予感が、唯の杞憂に終わりますように。
「来ましたっ、ガジェットです。地下水路へ数機ずつのグループで総数……十六、いえ、二十機ですっ」
慌ただしい作戦司令室にシャーリーの状況報告が響き渡る。間、髪容れずに海上から航空機型のガジェットも確認された。危惧していた事態が現実となる。海上演習場から駆けつける旨を伝えてきたヴィータの頼もしい通信が、八神はやての心を僅かばかり軽くさせた。そして、もう一人──── はやてにとっては予想外である人物の声を聞くことになる。
『お久しぶりです、八神二等陸佐。108部隊所属、ギンガ・ナカジマです』
彼女達は走っていた。限られた光源だけを頼りに、唯ひたすらに地下水路を駆け抜けていた。
「わぁ、ギン姉だぁ」
「声を聞くのも久しぶりね、ギンガさん」
「ナカジマって……スバルさんのお姉さんですか?」
「うん、そうだよ。あたしにシューティングアーツを教えてくれた人。階級も歳もあたしの二つ上」
喜色満面と言った表情を浮かべていたスバルではあったが、ギンガから伝えられる内容を耳にする度に表情が曇っていった。
『それじゃ、発見された女の子は、『人造魔導師』の素体として作られた可能性がある言うんやな』
『はい。私が別件で捜査していた事故現場に生体ポッドの残骸がありました。傍には破壊されたガジェットも。そして……何かを引きずったような跡が』
ティアナは通路に延々と続く、『何かを引きずったような跡』を、目を細めながら見据える。
「あの……人造
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