第18話「京都―決戦C」
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気にすらなれない圧倒的な力に。
慎重に戦う必要がある敵だが、そんな体力は既にない。残った体力に許された手段は真っ向勝負、ただそれだけ。
不利過ぎるこの状況に、ついつい笑みを浮かべてしまう。
絶望的なこのタイミング。ここで笑う人間は気が触れたか、それとも完全にあきらめたか。
だが、もちろん。
おかしくなったわけでも、本当に諦めたわけではない。
乾いた笑いは、次第に獰猛な笑みに。
「む、う?」
宿儺の顔が引き締まる。タケルはただ、静かに宿儺を見つめている。
「ふぅ……ふぅ……ふっ」
呼吸を繰り返し、ただ眼前の敵を見据える。
そして
タケルと宿儺が同時に動いた。
2つの影が交差した。
闇に踊ったそれらは一瞬だけ光を閃かせ、そして同時、崩れ落ちるように膝を突いた。
「ふむ、見事」
クルリと振り返り、肘から先がなくなってしまった2本の腕を見つめながら、宿儺が呟いた。
「……」
タケルは呆然とした顔で振り向き、そのまま声もなく地に伏した。脇からは大量の血が噴出し、干からびかけていた彼の体をさらに枯渇させていく。いや、それどころか大きく開いた傷口からは腸がその顔を覗かせている。少しでも力を入れればおそらく腸がその頭を出すことになるだろう。
とはいっても、タケルには最早立ち上がる力など残されていない。
既に失血死の状態になりかけていた彼がこれほどの血を流し、深い傷まで負わされて立ち上がれるはずがなかった。
「ふむ、まさかただの人間にここまでの傷を負わされるとは……だが、お主の命もここまで」
ゆったりと、それでも油断なく歩み寄る。左腕のXガンを忍ばせていたタケルだったが、両面宿儺のその隙のない動きに、遂に諦めた。
――そもそも失血の状態で勝てる星人じゃないな。
「いざ、さらば」
――スマン。
それは誰に向けての謝罪だったのか。
振り下ろされる刃をおぼろげな視界に残し、意識を完全に手放した。
「■■■■『■■■』」
どこかで聞いたことのあるような、ないような。
理解の出来ない言葉が聞こえた気がした。
……妙だな。
風呂を出たばかりで顔をホコホコさせていたエヴァンジェリンは妙な気配を感じ、眉をひそめた。
ネギたちは既に力尽きて就寝。今、起きているのはエヴァンジェリンとその隣に座している絡操茶々丸の2人のみ。
どうかされましたか、マスター?」
「いや……何でもない」
歩き出す。背に茶々丸がついてくる気配を感じながらも、思考はやはり先ほど感じた違和感にとぶ。
先ほど彼女自身の手できっち
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