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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百二十話:ケジメを付けるということ
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り続ける相手に形だけ謝られても許す気は無いし。

 歩み寄る姿勢を見せる必要は、どちらの立場からしても既に無いので、淡々と別れを告げて村長さんの家を出ます。



 外に出たところで、村長さんの家ではずっと黙ってたモモが、悲しそうな声を出します。

「ガウウ……ミュウ……」
『ドーラちゃん、ごめんね……。あたしのせいで……』

 ……あのおっさんにどう思われるかより、モモがどう思うかのほうが、よっぽど重要なのに。

 モモもきっと同じだろうけど、筋を通したいっていうのも、私のわがままみたいなものだからなあ。
 モモも含めて、他のみんなは気が進まなそうだったのに。
 モモがこんなに悲しそうにしてるのも、ある意味、私のせいだよなあ。

「モモは、悪くないよ。ごめんね、化け物なんて呼ばせて、嫌な思いさせちゃって」
「ガウウ!ガウ!ガルルルル!」
『ううん!ドーラちゃんは、違うって言ってくれたもん!あのおじさんになんて言われたって、ドーラちゃんがわかってくれてたらいいの!』
「うん、私もだよ。あの人になんて言われたって、モモとみんながわかってくれてるから、大丈夫」
「ガウ……!」
『ドーラちゃん……!』


 同じ気持ちで通じ合うモモと私が和やかに見詰め合っていたところに、招かれざる闖入者が現れます。

「は!やっぱり、オラの言った通りだ!飼い慣らした化け物をけしかけておいて、善人ぶって金さ巻き上げにくるとは!可愛い顔して、とんだ悪女だべ!」

 もちろん、理不尽お兄さんでした。

 ああ、最悪だ。
 この人ともう一人は絶対に来ると思ってたけど、最悪なほうが先に来た。
 和やかな空気が台無しだ。

 ……それはともかく、また聞き流せない単語を、当然のように。

「……私のことは、どう言われても構いませんが。この子を、化け物と言うのはやめてください」

 悲しそうな顔が、せっかく明るくなったところなのに!
 私はともかく、モモを理不尽に貶めるのは本当に許せない!

 怒りを込めて睨み付ける私に向けて、理不尽お兄さんが鼻で笑います。

「は!この期に及んで、まだいい子ぶるだか。さすが、徹底してるだな。カールを誑して、いい男さ侍らせて。顔だけでなく、体もさぞ、具合がいいんだべな?」

 ……この人は。
 若い癖に親父臭いというか、言うことがいちいち下品なんだよね。
 内容だけじゃなく、言い方も態度も。
 ニヤニヤしながら舐め回すように全身を見るとか、本当に気持ち悪いんですけど。
 女と見れば、そういう考えしか浮かばないのかね。

「……おい。いい加減に」
「……ヘンリー。やめて」

 ああ、ヘンリーがもう切れそう。
 後ろのピエールとモモからも、殺気がすごい。

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