暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
最後のチュートリアル
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ゃねぇんだ。そうだよ………イベントだろ全部。オープニングの演出なんだろ。そうだろ」

それは、広場にいるプレイヤー達の望みを代弁したような言葉だった。

だが、そんな望みさえ薙ぎ払うかのように、あくまでも実務的な茅場のアナウンスは続く。

『諸君が、向こう側に置いてきた肉体の心配する必要はない。現在、あらゆるテレビ、ラジオ、ネットメディアはこの状況を、多数の死者が出ていることも含め、繰り返し報道している。諸君のナーヴギアが強引に徐装される危険はすでに低くなっていると言ってよかろう。今後、諸君の現実の体は、ナーヴギアを装着したまま二時間の回線切断猶予時間のうちに病院その他の施設へと搬送され、厳重な介護態勢のもとにおかれるはずだ。諸君には、安心して………ゲーム攻略に励んでほしい』

「な………………」

そこで鋭い叫び声が響いた。

例の悪趣味バンダナ男の友人らしい、気恥ずかしいほどにカッコいい、ファンタジーアニメの主人公のような容姿の男だ。

「何を言ってるんだ!ゲームを攻略しろだと!?ログアウト不能の状況で、呑気に遊べってのか!?」

ファンタジー男は上層フロアの底近くに浮かぶ巨大なフーデッドローブを睨みつけ、吼えた。

「こんなの、もうゲームでも何でもないだろうが!!」

その声が聞こえたように茅場晶彦の、抑揚の薄い声が、穏やかに告げた。

『しかし、充分に留意してもらいたい。諸君にとって、《ソードアート・オンライン》は、すでにただのゲームではない。もう一つの現実と言うべき存在だ。…………今後、ゲームにおいて、あらゆる蘇生手段は機能しない。ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、同時に』

続く言葉はレンには容易に想像できた。

『諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される』

その瞬間、広場の時間が止まったような気がした。

その止まった時間の中で茅場のアナウンスだけが響く。

『諸君がこのゲームから解放される条件は、たった一つ。先に述べたとおり、アインクラッド最上部、第百層まで辿り着き、そこに待つ最終ボスを倒してゲームをクリアすればよい。その瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう』

「クリア…………第百層だとぉ!?」

突然さっきの悪趣味バンダナ男が、がばっと立ち上がり、右拳を空に向かって振り上げた。

「で、できるわきゃねぇだろうが!!ベータじゃろくに上れなかったって聞いたぞ!!」

恐らくこの広場にいる全プレイヤーが思っている答えの出しようのない疑問を叫んだ。

張り詰めた静寂が、やがて低いどよめきに埋められていく。しかしそこに、恐怖や絶望の音はほとんど聞き取れない。

おそらく大多数の者は、この状況
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