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lineage もうひとつの物語
パーティー結成
オーク
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ったこと、オーク民に被害がないことから様子をみるに留まっていた。
しかし血気盛んな若いオーク達は密かに集まり商人たち往来者を襲っていた。
その時点では大規模な襲撃もなく領地を奪ったうしろめたさからか人間側は大きく動くことはなかった。
そして次第にオークの若手の間で戦利品であるアデナを集めることが流行り出し、それが広まりアデナを多く持つ事が一種のステータスを持つようになってしまう。
そこからオーク達は積極的に人間を襲うようになり人間側は冒険者を集め抵抗することとなる。
その争いが大きくなり現在に至ってはオークが要塞を築くまでになってしまっていた。
ここまでを説明したエレナは小屋の入口で戻ろうとして呼び止められたアレンを見ながらアーニャに問いかける

「ここまでの話でライラさんが固執する理由があったかしら?」

アーニャは首を振り否定を示す。
それを見たエレナは

「あるとすれば親族がオークにやられたとか?」

アーニャは頷きそれくらいしかないと思う。

「普通はそうなんだけどね。でも違うのよ。ライラさんの父親は財産目当ての盗賊にやられたのよ」

エレナは続けて話す。

「外にはオーク、中には盗賊。これじゃ身動き取れないし安心して眠れない。村人からしてもスポンサーであるライラさんを無下にできない」

そこまで言うとアーニャが口を開いた。

「なるほど、だからライラさんに認めてもらえないと報奨金も貰えないんだ。いざというとき自分を守ってくれる人物だけ認めてるんだね。オークも減らせて自分も守ってもらうってことね」

アーニャはエレナに答え会わせを求めるような仕草で顔を向ける。

「そう。正解よ。怨みや善意だけじゃないってことね」

ようやく解放され戻ってくるアレンに手を振りながらアーニャは

「ライラさんの財産が尽きるときが怖いね」

と呟いた。




借りた小屋で休息をとる三人。
小屋は狭く二段になったベッドが二つ並んでいるだけ。
あとは小さなテーブルと椅子が四脚あるだけで他にスペースはほとんどない。
無料での提供なので文句はないのだが。
アレンは入り口に近い椅子に座りアーニャ、エレナは其々ベッドの下段に座っている。
アレンは同室になるとは思っているはずもなくいつも以上に落ち着きがない。

「ここで当面の活動資金を貯めましょう」

エレナが提示した額は経費を差し引いて最低3万アデナ。
もちろん多ければ多いほうがいい。
火田村は流通がよくないため物品の相場が若干高めである。
それなりの経費がかかるであろうと見越して期間は一週間〜二週間

二人はそれに異義もなく素直に同意する。

「本格的に行動するのは明日からでいいよね?」

アーニャは問いかける。

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