一部【スサノオ】
十四章【続ける理由】
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フロンティア3に入ったか入ってないぐらいまでかな?」
そのジャックの言葉に驚く2人。
「そこまで!?なんでやめちゃったんですか!?」
「本当ですわよっ!そもそも、そう簡単に出戻りできるものなんですの!?」
「いっぺんに聞くなよ…」
はぁ、とため息をつき、気乗りしないといった感じでジャックは話し出す。
「まぁ、やめた理由は…その時必要だった金が集まったからで…出戻りに関しちゃ別に縛りはねぇよ。つか、やめた時点でデータは消されちまうみたいだから気付かれようないんだけどな」
「そうなんですか?」
「あぁ。あんまりフロンティア嫌いになるような事言いたくないんだが、最初に俺が言ったように俺達はフロンティアの開拓作業員みたいなもんだから、運営からしちゃ来る者拒まずってスタンスなんだよ。始めにパソコンかなんかで質問されたろ?」
「あぁ、はい」
「そういえばそんな事しましたわね?」
「あの質問にはほとんど意味がなくてだな…言ってみりゃあれは契約書みたいなもんで、一番最後に聞かれた命をかけれるかって質問に『はい』って答えちまえば大体通るんだよ」
訳がわからない、と顔をしかめる零だが、クラウリーだけはそういうことかと納得する。
「それに『はい』と答えてしまえば、たとえ此処で『何が起きようと』自己責任になるわけですから、どんな方が来ようと開拓の足しになるならそれで良いというわけですのね」
「クラウリーは馬鹿だけど物分かりがいいな。つまりそういうことだ」
やっと話に追い付き深刻な顔をする零。
そう、誰でも良いのだ。自分達は餌に釣られたバカな蟻。
お金という餌を目の前にちらつかされ、下手をすれば死と隣り合わせになるような事をさせられていたのだ。
「そんな事が許されるんですか…?」
「許されちまう世の中だからタチが悪い。それだけ地球がなりふり構ってられない状況ってことだな」
静まり重苦しくなる空気。
その雰囲気にジャックはガシガシと頭を掻きいつもの能天気な笑顔を見せる。
「ほら、んな暗い顔してんなよ!少なくとも、フロンティア3までじゃ死んだだの死にそうになっただのって話しは聞いてないから安心しろよ。…これでこのシケた話は終了!」
「そうは言いますけれど…ふぐっ」
まだ続けようとするクラウリーの口をジャックは手で塞ぐ。
「終わりつったら終わりなんだよ!…こうなるだろうから話したくなかったんだよ!」
ふがふがと顔を赤らめ必死にジャックの手を外そうとするが、外してはまた塞がれの繰り返し。
「ぶふっ…」
そのやり取りを見て、思わず零は吹き出してしまう。
それを見てやっとクラウリーから手を離すジャック。
「ちょっと!どういうつもりです
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