第七十七話 決意を新たに
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ことにならなかったんじゃないかなって、そう思えるから」
実際、二年前の大戦終了時に彼らが全員自分たちの所属すべき場所にいれば、このようなことにはならなかったかもしれない。名を隠してオーブに住んでいなければと――――もちろん、絶対に止めれたとは言えないし、二年前のあの時、キラ達は心に大きな傷を負ったのだ。すぐに本来いるべき立場にいたとしても、精神的に余計苦しむことになっただろう。
「道なんて自分で決めるものだ。どれが正解ってのはその時になるまで分からないだろ?王道ばかりが道じゃないぜ。友達と喧嘩したっていうならとことん付き合ってやればいいんだよ」
そう言ってロウは機体の修理に戻っていった。
「――――そうですね、分からなくても、分かり合おうとする努力を止めたらいけないんだ。戦争を止めるために、本当の平和を掴むために、僕たちは戦う」
改めて戦う覚悟を決めたキラは再び自機のOS調整に戻るのだった。
◇
『はーい、マユでーす。でもごめんなさい――――』
久しぶりにマユの携帯電話を開いてその留守電に登録されている声を聞く。
(これまでの事を後悔……してるんだろうか?)
少なくとも全くしていないわけではないだろう。本当に後悔していないならそんな風に考えることもないはずだ。
「なあ、マユ……俺は如何すればいいんだろうな。戦争がなくなるのは良い事だって思う。でも、議長の言ってる事は間違ってるわけじゃないけど――――」
案内された部屋の一室は殺風景なものだ。元々、メサイアは軍事要塞であり、機能したばかりの場所なのだから部屋が簡素だというのは当然と言えば当然だが、そういった部屋の殺風景な様子が逆に心をささくれさせる。
「やっぱり、俺は……」
結局、シンはあの場で結論を出すことが出来なかったのだ。黙り込んでしまい、議長が悩むというのであれば一度よく考えると良いと言って退出する様に命じた。
シン自身、デスティニープランが悪い提案だと思っているわけではない。寧ろ、これまで戦ってきて、目を通して見てきた世界は酷いありさまで、シンの平和への想いは何度も裏切られてきた。同時にそんな風に苦しんでいるのは自分だけじゃない。ただ明日へと生きるのに精いっぱいな人達も沢山見た。そう考えると、こんな世界を変えようというのは決して悪い事ではないと思っている。
「与えられた運命を生きることが幸福だって議長は言った……でも、それで救われない人達はどうなるんだ?与えられた運命そのものが報われることのない運命だったならそれこそ――――どうすればいいんだろう?」
そんな風に不幸になる人達がいると思ったからアスランは議長に反発を抱いたのではないだろうか。そうであっても戦争のない世界が欲しいと思
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