暁 〜小説投稿サイト〜
とある星の力を使いし者
第126話
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
んでいた手を放し、地面に突き刺していた剣を抜き取り、後ろにいるユミナ達に視線を向ける。
ナタリアは斬られた腕を再生させていて、ほとんど元に戻っていた。

「じゃあ、どうすれば良かったんだよ。」

独り言のように呟く上条。
さらに同じ剣を創り、それを右手の指の間に差していきながら、麻生は答えた。

「お前は偽善だと分かっていても、人を助けるんだろ?
 なら、自己犠牲なんてくだらない行動なんてせずに、その人自身を助ける方法を考えるんだな。」







ナタリアの腕が治ったので、二人は再び麻生に向かって突撃していく。
向かってくる二人を右手の指に差していた、四本の黒鍵を投げつける。
二人はそれをお互い左右に移動する事で避ける。
左に避けたナタリアに麻生が一気に接近する。
麻生の左腕にはさっきまでなかった物があった。
それは大型の弦楽器を模した盾でありパイルバンカーだ。
名を正式外典「ガマリエル」。
パウロの黙示録とエジプト人による福音という二つの外典によって鍛えられた銃盾兼槍鍵。
音律を以てあらゆる不浄を弾く正しい秩序の具現とされている。
対吸血鬼用の「滅び」の意味を含んだ概念武装である。
麻生は右手でナタリアの横腹を殴りつける。
それをナタリアは左手で受け止めるが、能力の加護が加わっており、受け止めても勢いは消えることはなかった。
そのまま壁に叩きつけられると、追い打ちのように四本の黒鍵が両手両足に深く突き刺さる。
悲痛の叫び声をあげるナタリア。
それを聞いたユミナは麻生に向かって、鋭い爪を繰り出す。
その爪を「ガマリエル」で受け止める。
今度は吹き飛ばないように能力で身体全身を強化し、さらにベクトルの向きも利用する。
次の瞬間、「ガマリエル」の盾から刻印が浮かび上がる。

「リスト・ポルタート」

そう呟くと、刻印はより強く輝き、ユミナを弾き飛ばした。
「ガマリエル」に触れていた手は跡形もなく消滅している。
弾き飛ばしたユミナに追い打ちをかける、麻生。
「ガマリエル」のアンカーをユミナの心臓に突き刺し、告げる。

「イクトス・カルヴァリア・ディスロアー。」

その言葉に呼応して、「ガマリエル」のアンカーから巨大な光の杭が二本現れ、それが十字架を描くように、ユミナに突き刺さる。
そして、光の杭が爆発し、強烈な光を生み出した。
光が無くなった時には、ユミナは地面に倒れていた。
麻生はユミナに近づき、倒れているユミナを抱きかかえる。

「ああ・・・私を止めて下さったのね。」

先程とは違い、理性を取り戻している。
しかし、ユミナの身体は徐々に消滅していた。

「何か言い残す事はないか?」

数十分前と同じ台詞を言う。
違いがあるとすれば、麻生の表情
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ