第125話
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れを避けようとした時だった。
突然、上条の拳の勢いが急速に無くなっていく。
(これはフェイント!)
気がついた時には遅かった。
上条の左手は麻生の顔面に入る。
上条はこれを狙っていたのだ。
同じことを何度もすれば、流石の麻生も油断する筈。
その作戦は見事に成功した。
上条の拳が入った麻生は、後ろに倒れそうになるが、かろうじて堪える。
完璧に入った一撃は、麻生の唇を切っていた。
頬も赤くなっている。
「そうまでして、守る価値があるか。」
「当たり前だ。」
「なら、お前はこの後の事を考えているのか?
お前が今、俺を倒してユミナを逃がす事はできてもその先にあるのは地獄だけだ。
死徒である以上、血を吸わなければ生きていけない。
それは死徒を増やす事に他ならない。
いずれ、増えていき、手の施しようのない所まで発展する可能性がある。」
「そんなのやってみないと分からないだろ。
現に今は血を吸わなくても生きているじゃないか。」
「今はな。
だが、そう遠くない未来、必ず血を欲しがる。
そうなった場合どうするつもりだ?」
「それを今から考えるんだよ!
インデックスや他の魔術師に協力してもらえば」
「それが甘いんだよ!」
麻生の突然の言葉に思わず、言葉を呑み込む。
「いいか、その先の事をロクに考えていないのに、助けるなんて言葉を口にするな!
お前は今、多くの人を犠牲にするかもしれないんだぞ!?
現在の魔術では、吸血化を治すおろか、その吸血衝動を治す手立てすらない!
それにユミナは吸血鬼だ。
他の魔術師に知られれば、実験の材料として魔術師の追手が来るはずだ。
そうなれば、まさに地獄だ。
追手に追われ平和の無い生活、吸血衝動、捕まっても苦痛しかない実験。
ユミナに待っているのは耐え難い苦痛だけだ。
そんな運命しか待っていない彼女をそれでも助けるって言うのか!」
「ッ!?・・・・・それでも・・それでも、俺は!」
その時だった。
「う・・う・・ああああああああああああ!!!」
突然、悲痛な叫び声が聞こえた。
上条と麻生はその声のする方に視線を向ける。
そこにはインデックスの後ろに立っていた、ユミナが苦しそうに胸を押え、うずくまっていた。
「どうしたの、お母さん!!」
慌ててナタリアが、ユミナに近づこうとする。
「止めろ、近づくな!」
麻生がそう叫んで、能力を発動させる。
ナタリアの所まで空間移動すると、インデックスとナタリアを抱え、さっきまで居た自分の所に移動する。
「離してください!
お母さんが苦しそうにしているのに!」
「離すわけにはいかない。
お前を死徒にさせる訳
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