第124話
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に剣先を向ける。
「諦めろ、お前達がどこに逃げようと、この結界の範囲内なら俺は手に取るようにわかる。
加えて、結界内にいるのならお前達を絶対に逃がさない。」
麻生の言葉を聞いた、ユミナは前に立っている上条を押し退けて、前に出ようとする。
このまま自分が居れば、迷惑がかかると思ったのだろう。
さっきまで、生きると決めたが、それが原因で上条やナタリアが傷つくのは見たくはない。
だが、前に出ようとした時、上条が手を出して止める。
「ナタリアさん、生きるって決めたんだろう?
なら、最後まで諦めるな。」
上条はそれだけを言うと、麻生に近づいていく。
四メートルの幅を開けて、上条は足を止めると、拳を握りしめる。
それを見た麻生は眉をひそめる。
「お前、まさか。」
「そうだ、お前がユミナさんを殺すっているのなら、俺がお前を止める。」
「ま、待ってください!
貴方達が戦うなんて!」
「止めても無駄だよ。
ああなったとうまは、誰の言う事を聞かないんだから。」
「でも、私の命の為に戦うなんて。」
「それ、とうまが聞いたら凄く怒るよ。
ユミナさんは生きるって決めたんなら、命をそんな軽々しく捨てるな!、ってとうまは言うよ。」
インデックスがそう言うと、ユミナはまだ何か言いたそうな顔をするが、言葉を呑み込む。
そして、麻生と上条に視線を送る。
「お前がそっち側にいるのならこうなると思っていた。」
そう言うと、麻生は手に持っていた剣を地面に投げ捨てる。
上条は小さく首を傾げた。
「何で、武器を捨てたんだ?」
「これは黒剣と言ってな。
浄化っていう意味の籠った概念武装だ。
吸血鬼相手にはよく効く武器でな、お前の右手なら一撃で破壊できるだろう。」
「てことは、普通の武器でも出すつもりか?」
「いいや、俺は能力は一切使わない。」
「は?」
上条は一瞬、麻生の言っている事がよく分からなかった。
「理解できなかったか?
俺は能力は一切使わない。
身体に刻んである戦闘経験も今だけ、無くしてある。
今の俺は本当にただの一般人Aだ。」
理由が全く分からなかった。
そんな事をして、麻生に何の得があるのか全く分からない。
「どうして、そんな事を?」
「お前と対等に戦う為だ。
ただ、それだけだ。」
そこで上条はようやく気がついた。
麻生の能力を使えば、ユミナが死徒だと分かった時に、すぐに殺す事ができた筈だ。
それなのに、最初は見逃し、結界なんて回りくどい事を真似をした。
麻生が本気を出せば、結界なんてなくても誰にも見つかる事なく、殺せた筈だ。
今、この瞬間にもユミナだけ殺す事が出来る筈なのに、それを
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