妹達
Trick59_美玲
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すから、お願いできないでしょうか」
「名前を考えるのはいいけれど、どうしたのよ急に?」
首を傾げる美雪と美琴だったが、一人だけが納得していた。
「なるほどね。名前が無いって言うのは心理的にも不安定な状態になります。
大抵の場合、物心ついた時には自分の名前はあります。
≪名は体を表す≫ということわざがあるくらいに、名前と本人とは
当たり前でいて、強く繋がっている。
名前が無いことは、自分という存在が曖昧に感じてしまうからなんですよ」
「よくわからないわね」「私も」
頷いたのは御坂妹だけだった。
「御坂さん馬鹿です」
「な、なんなのよいきなり! 理解力が低くて悪かったわね!」
次に美雪の方を向く。
「馬鹿です」
「・・・えっと、私も? 信乃、ひどくない?」
「さて問題です。名前を呼ばれて馬鹿と言われた御坂さんと、
名前を呼ばれないで馬鹿と言われて美雪。
どちらのほうが馬鹿にされた気がしますか?」
「「え? あ」」
「まぁ人それぞれとは思いますけど、名前を呼ばれた方が馬鹿にされた気がすると思います。
名前を呼ぶ事は、名前がある事は、存在をハッキリさせる事になるんです」
「そっか。名前が無い『この子』は、常に呼ばれない状態になるってことか!」
「説明が下手で申し訳ありません。どうにか伝わったようで良かったです」
「ん♪ 私も大丈夫」
「それでは、名前を考えましょうか。
あなたから何か要望は?」
「要望、はありますがその前にお姉さまにお聞きしたい事があります。
お姉さまは私の事を妹として見て頂けるでしょうか?」
「そんなの当たり前じゃない。・・・まあ、この前はひどい事言っちゃったけど、
今は大丈夫。はっきりと私の妹だって言える!」
「そうですか・・妹、嬉しいです」
「まあ、あなたにとっては、私の妹なんて不本意かもしれないけど・・」
「たしかにお姉さまは年齢にそぐわない幼稚な趣味で
ガサツで 短期で 喧嘩っ早くて」
「ウグッ」
「そのくせ好きなものを好きと言えない天邪鬼ですが
ミサカのために命も捨てようとした困った姉です」
御坂妹の厳しい指摘が美琴の心に刺さるが、最後の言葉を聞いて安心した。
「では要望としてですが、名前にお姉さまと繋がりが欲しいです」
「繋がり、ですか? 御坂家の女性3人は『美』の字が始めにある法則ですが、
そういったことでいいですか?」
「そのような法則があるのですか。では、それでお願いします」
「あ♪ それだった良い名前があるよ。琴ちゃんとも繋がりがあるし♪」
「どんな名前なの、雪姉ちゃん?」
「ん♪
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