第二十話 〜休日と嫌な予感 前編【暁 Ver】
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っていく。
「二人とも楽しんできてね、行ってらっしゃい」
「まだ、全部言い終わってないのにぃ。行ってらっしゃい」
なのはに引きずられながらも、自分たちに手を振るフェイトを見て二人は困ったように笑う。フェイトから向けられる好意は純粋に嬉しくはあったが、時々。そう、ほんの少しだけ困ることがある。それは彼らが同年代の子供よりも大人びているからかも知れない。勿論、そうなってしまった理由があるのだが。
多少複雑な思いを抱きながらも、気を取り直し微笑みながら歩き出す。どちらからともなく差し出された小さな手は──── 可愛らしくも力強い橋を架けていた。
「んー、おいしぃ」
「へぇ、ホント美味しいわ。よく来るのアスナ?」
「……さんぽのとちゅうで」
目的の一つであるアイスクリーム屋に立ち寄った。アスナがザフィーラとの散歩の途中でよく立ち寄るらしい。スバルは三段重ねを二つ購入し、子供のように齧り付いている。アイスの食べ方じゃないわ、それ。
「……ざっふぃーが、どうしてもアイス食べたいっていうから」
ザフィーラがアイスを食べたいとアスナに強請っている姿なんて想像つかない。大方、この娘が食べたいだけだ、きっと。
「……うそじゃない」
「はいはい、わかってるわよ。……いい加減その、『ゴーグル』消しなさい」
「……わすれてた。フラッター、ポイントリリース『ヘッドギア』解除」
アスナがそう呟くと、あたし達には見慣れたフラッターのゴーグルが消える。これがフラッターの特徴でもある、『ポイントリリース』だ。展開後はアスナの体の各部を守るように展開するフラッターだが、必要に応じて必要な部分だけを展開する事も出来る。消費する魔力も少なくて済むし、展開も早いから緊急時には便利かも知れない。
「アスナはどこか行きたいところある?」
「……ペットショップ」
「アスナ? わかってると思うけど、犬や猫は飼えないからね」
「……わかってる。ぴょん吉が寂しそうなのでお友達をかいます」
蛙をその辺から捕まえてくればいいじゃないかと思ったが、この娘がそうしたいと言うのなら好きにさせよう。
「あれ? 『伍長』は、ぴょん吉とお友達じゃないの?」
「……言葉の壁がちょっと」
そりゃ、蛙と蜘蛛じゃね。言葉の壁どころか、種が違う。友情が芽生えるのは難しいだろう。
「……ぴょん吉は、伍長をたべようとするからな?」
それ以前の問題だったわ。
「ペットショップだと……デパートかな」
スバルが何とも言えない顔をしながら次の場所を提案する。確かに専門店を探すよりはいいか。
「確か入ってたわね。何
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