第二十話 〜休日と嫌な予感 前編【暁 Ver】
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嫌だったら、髪を纏めて服の中に入れなきゃね」
「……わかりました」
「なぁ、フェイトさんと俺との態度が随分違うな?」
「……ヘリは細かいな?」
「略すなよ。せめて、にーちゃんを付けてくれ。……いや、違う違う。名前で呼べ」
「……なまえ」
「おまえ、まさか」
ここ最近は、ヴァイス陸曹にも慣れてきたのか、こんなやり取りをしてるをよく見かけている。誰に対しても態度が変わらないのはアスナの長所でもあり、欠点でもある。少なくとも公の場で偉い人には会わせられない。空気を読んでくれるといいのだけれど、スバルが食べ過ぎで腹痛になるくらいあり得ない話だ。このあたしの懸念が後に現実となってしまうが、それは又のお話。さて、収拾がつかなくなりそうだから着替えて出かけましょうか。降って湧いたような休日を楽しみましょう。
「運転には気をつけてね」
「ティアは運転が上手いから大丈夫ですよ」
「……ティアナは暴走族よびぐん。こわい」
「黙れ。それじゃ、行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい」
高町なのはが見送る中、重厚なエンジン音を轟かせながら三人を乗せたバイクは軽快に走り出した。このガソリン車特有のエンジン音もダミーで、無駄に凝っている。
「……風になれー」
「わーっ、アスナっ、危ないから立ち上がっちゃダメっ」
「あんた、降ろすわよっ!」
ぎゃーぎゃーと喚きながら、視界の中で小さくなっていくバイクに一抹の不安を覚えながらも、高町なのはは三人を見送った。
「相変わらず騒がしいね」
不意に後ろから掛けられた聞き慣れた声に振り向くと、エリオとキャロを伴ったフェイトが立っていた。三人の表情を見る限り一部始終を見ていたらしい。苦笑を浮かべていたなのはではあったが、エリオとキャロの私服を見ると花が咲いたように微笑んだ。
「うん。エリオはカッコイイし、キャロは可愛いね」
なんの飾り気もなくストレートに褒められた二人は素直に頬を染める。
「フェイトちゃんのコーディネート?」
「そう」
そう言いながらフェイトは豊かな胸を僅かに張る。
「なのに、フェイトちゃんの私服はどうしてモノトーンばかりなのかな」
「ほっといて」
フェイトは二人と目線を同じくするように屈むと真剣な表情をする。
「いい? 二人ともよく聞いて。エリオは男の子だからキャロをちゃんと守ってね。夜の街は恐いから暗くなる前に帰ってくること。知らないおじさんに声をかけられてもついて行っちゃダメだよ。何かあったらすぐ連絡すること。ハンカチは持った? お金も大丈夫? それから……あ、待ってっ、なのは」
なのはがフェイトの襟を掴みながらずりずりと引きず
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