キラーパンサーに転生
21(終)あの場所であなたを待つ
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えてる場所でも見つけて回復手段を確保するまでは、ここではおとなしくして。
準備が整ったら、少しずつあたしの強さを見せつけて、縄張りを広げて。
洞窟の奥のあの場所をあたしのねぐらにして、ドーラちゃんを待ってよう。
魔物のあたしは、例え覚えてても、何年経ったかわからなくなりそうだから。
洞窟の入り口にあるこの木に一本傷をつけて、あとは毎年この木に最初の花が咲いたら、傷を一本ずつ増やしていこう。
そうやって洞窟で息を潜めて過ごして、外で経験値をかせいで、薬草の群生地も見つけて傷を治せるようになって。
十分に強くなったと判断して、洞窟の奥のねぐらを確保できたのが、三年目の春。
強さだけならもっと早くてもよかったかもしれないけど、ケモノだからすぐに大きくなってキラーパンサーになるのかと思ってたのに、意外になかなか体が大きくならなくて。
ケモノ同士の世界では、強さを示すには見た目もかなり大事だし、もっと大きく、あと少しだけでも大きくなってから……と待ち続けてしびれを切らしたのが、三年目だった。
パパさんの剣は洞窟のすみっこに穴を掘って、目立たないように隠してはあったけど。
通りすがりの冒険者に見つけられたらと思うと気が気じゃなかったから、早く安全な場所を確保して隠したかった。
洞窟の奥なら安全とも限らないけど、簡単に潜れる浅い場所よりは、まだ安全だろうと思ったから。
確保したねぐらの奥にまた小さな穴を掘って、あたしがいない間に人間が入り込んだとしても、よっぽど念入りに調べなければ見つからないように隠し終えて、一息ついて。
……あたし、いつキラーパンサーになるんだろう。
早く大人にならないってことは、そのぶん長生きできるってことかもしれないから、まあいいけど。
外で活動するにも小さいほうが目立たないから、それもいいんだけど。
ベビーパンサーは基本的に兄弟で群れてるし、あたしは馴れ合うつもりはないから特に交流もしてないし。
いつの間にか入れ替わってるみたいで、何年で大人になるのかよくわからないんだよね……。
……まあ、いっか。
見た目の威圧感が足りなくて手間取ったけど、この場所ももう確保できたし。
たぶん十年経つ間に大人にはなるんだろうし、ならなくてもドーラちゃんに会えれば別に問題はないし。
あとは、できるだけ忘れないように、よく思い出すようにして。
十年経つ前に目立ってしまって退治されたり追い出されたりしないように、気をつけて待ってよう。
……二年経って、今が三年目だから。
あと、八年近くか……。
今までは目的があったけどそれもなくなって、経験値をかせいで強くなるとか、あとは文字を書く練習をする以外には
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