第123話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
上条はユミナの手を引いて、走り続けた。
後ろを確認することなく、限界まで走り続けようと思っていた。
しかし、後ろから誰かが上条の手を引っ張る。
それは、上条が無理矢理連れてきたユミナだった。
「ちょっと待ってください。」
と、ユミナは言うが上条は何を言っているのか全く分からない。
それに気がついたユミナは困ったような顔をする。
すると、上条達の後ろからナタリアとインデックスがやってきた。
「と、とうま・・・・や、やっと・・追い、ついた・・」
激しき息を切らしながら、インデックスは言う。
普段から不良達から逃げている上条でも、今までの距離を走って結構息が切れている。
運動などあまりしないインデックスにとってはきつい物がある。
それに比べて、ナタリアとユミナは全く息を切らしていなかった。
「そう言えば、恭介は?」
「今のところはきょうすけは追って来てないよ。
でも、追いつくのにそう時間はかからないと思う。」
「だろうな。
追いつかれる前に、どこかに隠れる必要があるな。」
「あ、あの・・・・」
インデックスと上条が話し合っていると、ナタリアがおずおずと話しかけた。
「あの人は本当にお母さんを殺すつもりなのですか?」
「・・・・・・うん。
きょうすけは本当にユミナさんを殺すつもりだと思うよ。」
「そ、そんな・・・・やっと、お母さんの病気が治ったのに。」
ナタリアはようやく、状況を呑み込めたのか涙を流す。
それを見たユミナはナタリアに近づき、ゆっくりと抱きしめる。
「泣かないの、ナタリア。」
「嘘だよね?
お母さんは人間じゃないって嘘だよね?」
涙を溜めながら、ナタリアはユミナの顔を見つめる。
ユミナは力のない笑みを浮かべながら、答えた。
「残念だけど、あの人が言っていたのは本当の事みたい。
さっきまでずっと走っていたけど、全く疲れなかったわ。
それに、眼も良く見えるようになったし、本当にさっきまでの自分じゃないみたい。」
そう言って、ナタリアから離れるユミナ。
そして、上条とインデックスに近づいて、深々と頭を下げた。
「本当にありがとうございます。」
言葉が分からない上条だが、インデックスが通訳する。
「な、何を言っているんですか?」
「私を助けて下さって、こんな化け物を助けてくれて。
あの子をどうか助けてあげて下さい。」
それだけ言って、ユミナは上条達の横を通り過ぎようとする。
「どこに行くつもりですか!?」
何処かへ立ち去ろうとするユミナを上条が呼び止める。
ユミナはゆっくりと振り返り、いつもの笑みを浮かべる。
「あの人の所へ。」
「行けば殺されてしま
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ