第123話
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ミナさんに触れないでね。
吸血鬼は存在そのものが異能だから、とうまの右手が触れたら何が起こるか全く分からないから。」
「ああ、分かっている。」
それについては上条も分かっていたみたいだ。
現に、ユミナを連れて行く際にも、ちゃんと左手を使っていた。
「これからどうするつもりですか?」
「インデックス、イギリス清教に預けるのは?」
吸血鬼とは魔術側の生き物だ。
ならば、知り合いが居るイギリス清教に預ける方が、まだ安心だと上条が考えたのだろう。
しかし、インデックスは何やら困ったような表情を浮かべる。
「とうま、その事なんだけど、魔術結社には預けるのは良くないかも。」
「どうしてだ?」
「吸血鬼っていうのはね、魔術側からすれば伝説的生き物の一つだからだよ。
それが死徒って言う別種類の吸血鬼でも変わりない。
おそらくだけど、魔術結社に預けたらユミナさんは一生、研究素材として使われるかもしれない。」
それを聞いた、上条は言葉を失う。
麻生から確実に逃がせる場所は限られてくる。
一番、最良だと思っていた策が逆に危険だと分かった今、完全に手詰まりに入った。
(学園都市も駄目だし・・・・・くっそ!!どうすればいいんだ!?)
中途半端な場所に逃がしても、すぐに追いつかれてしまう。
(今は考えても仕方がない。
とりあえず、この街から脱出してからだ。)
一応の目標を決め、上条は目の前の状況を切り抜けようと、考え改めた時だった。
カツン、と甲高い靴の音が聞こえた。
その音は不自然な音だった。
まるで、自分の居場所を教えるかのような、そんな感じの音だった。
自然と上条達の足が止まる。
前を見ると、そこには麻生恭介が立っていた。
「恭介。」
上条は麻生の名前を言うが、何も反応が返ってこない。
その時、麻生の腕がゆっくりと動く。
それを見た上条は咄嗟に、ユミナに飛びつく。
上条に押し倒されるような形になる。
すると、ユミナが立っていた頭の位置に何かが飛んでくる。
それは、あの時麻生が持っていた剣だった。
「ちっ、中々直感が働くな。」
面倒くさそうな顔をしながら、麻生はそう言った。
それを見て上条は憤りを感じる。
「お前ッ!!!」
「とうま、こっち!!」
殴りに行きそうになったが、横からインデックスの声が聞こえ、わずかに踏み止まる。
インデックスは横の路地からユミナ達を誘導している。
上条は一瞬、上条に怒りの視線を送り、その後をついて行く。
「とりあえず、今は逃げよう!
大通りに出れば、人もいる筈だからきょうすけも無闇に攻撃はできない筈だよ!」
インデックスの判断は正しい。
幾ら麻生でも、大勢の前で剣を
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