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とある英雄の学園生活
第5話 女騎士セシリア・ファーム 前編
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 「勝負ありだな。とりあえず話を聞いてくれないか」

 「まだよ!」

 彼女は俺から一定の距離をとった。

 「これならどう……火炎矢!!」


 彼女の手から火炎矢を10本放った。
 炎の魔術だ。10本も同時に火炎矢を放つ彼女はかなりの魔術力だ。
 だが残念。俺には効かない。
 俺は氷壁の魔術でそれを防いだ。

 「まさかこの至近距離での火炎矢まで防がれるなんて」
 
 「頼むから話を聞いてくれ」
 
 「セシリア、私の話を聞いて」
 
 アリスは彼女に抱きついていた。
 
 「姫様……!」
 
 「綺羅さんは、魔物から私を助けてくれたの」
 
 「え!」
 
 「そのあと宮殿まで送ってくれるて言ってくれたの」
 
 「え、でも……」
 
 「私を慰めてくれて頭を撫でてくれたの。私は別に嫌じゃなかったし、むしろうれしかったの」
 
 「そ、そうでしたか」
 
 アリスと会話していた彼女は俺の方に顔を向けた。
 体が震えていて、頬を染めている。
 自分の早とちりが恥ずかしいのだろう。
 
 「姫様を助けていただいたのに、このような真似をいたしまして申し訳ございませんでした」
 
 セシリアは深々と頭を下げた。
 
 「私はイングランド王国バーミリオン騎士団のセシリア・ファームと言います」
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