第二十一話「壮絶料理対決 後編」
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かくなる微笑だった。
「また、作ってほしいですか?」
「おお、是非頼むよ。これならいくらでも食べられる」
「そうですか……流石はお嫁さんに作ってほしい料理ナンバー一ですね」
ぼそぼそと呟いたため上手く聞き取れなかったが、エストも嬉しそうで何よりだ。
三人の料理を口にした俺とスカーレットは顔を合わせて審査を行っていた。離れたところでは緊張の面持ちでクレアたちが待機している。
「さて、結果は見えていると思うが誰の料理が一番美味しかった?」
「にゃー」
「そうか。やはりスカーレットもそう思うか」
「にゃっ」
「うんうん。その意見は意外だな」
「にゃぁ?」
「いや、しかしアレは――」
と、まあ真剣に審査している雰囲気を演出する。俺の中ではすでに結果は出ているためこういったブラフが必要なのだ。
ちなみにスカーレットが何を喋っているのかまったく通じません。
スカーレットと戯れること三分。審査が終わり判定を下す時が来た。
「では、審査結果を発表します」
「ごく……っ」
息を呑むクレア。
澄まし顔だが興味津々なのは目に見えているフィア。
ジッと俺の顔を見つめ微動だにしないエスト。
「審査の結果、もっとも美味しかった料理は――」
三人の視線を受け止めながらオーディションの合格発表を告げる審査員の如く、淡々と結果を述べた。
「エストの肉じゃがです」
奇跡的に、ブーイングは起こらなかった。
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