第二十一話「壮絶料理対決 後編」
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と頬張った。
「……うぐっ!?」
瞬間、痛みが脳を襲う! 味を認識する前に痛みを認識したというのか!?
冷静に自己分析する余裕は瞬く間に失われていく。続いて襲ってきた例えようのない『辛み』に喉が焼けるようだった。
「カ……ッ!」
なんたる辛さだろうか。想像を絶するとはまさにこのことだ……ッ。
(み、みず……うぉーたーのじゅつしき、を……)
意識が飛び飛びになりそうな中、ウォーターの魔術を行使しようと術式を組み立てるが、集中を維持できなく脆くも崩れてしまう。
(やばい……お、おち、る……っ!)
そんな窮地を救ってくれたのは俺の契約精霊だった。
「お水ですリシャルト!」
差し出されたコップを奪うように受け取り、勢いよく喉に流し込む。
……徐々に熱も引いていき、ようやく落ち着きを取り戻せることができた。
「――ふぅぅ……助かった。ありがとうエスト」
彼女が天使に見える。
感謝の気持ちも込めて優しく頭を撫でると、気持ちよさそうに目を細めた。
「大丈夫、リシャルト?」
「ああ、なんとかな」
心配そうな目で見てくるクレアに微笑むと、ホッと安堵の息をついた。
「ごめんさないリシャルト君。まさかこんなことになるだなんて……」
「いいさ、気にするな」
貴重な体験という意味では有意義だった。
「ふふん、なによ偉そうなこと言って。アンタの料理の方が不味かったみたいね」
「流石に何も言い返せないわね。でも、貴女の料理も大概じゃないかしら?」
バチバチと火花を散らす二人。俺からすれば五十歩百歩なんだが……。
「最後はエストですね」
エストの料理は見たところ――。
「肉じゃがです」
煮込み過ぎたのか煮崩れしてしまっているが、漂う匂いはまさしく肉じゃがのそれだ。ようやくまともな料理が出てきて安堵の吐息を零した。
「ちょっと失敗してしまいましたが頑張って作りました。食べてください」
「ああ。では、いただきます」
一口、口に運ぶ。
ピンッと張りつめた緊張感がエストから感じられた。
……嗚呼、懐かしい味だ……味は薄いが、確かに肉じゃがだ。
「どう、ですか?」
料理審査を待つ料理人のような緊張感と不安感を抱えて息を呑むエスト。
そんな彼女を安心させるべく笑顔を向けた。
「うん、美味い。頑張ったなエスト」
「――っ、はい」
その時、見せた笑顔は今まで見た中で一番綺麗で、心が温
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