キラーパンサーに転生
20あの場所へ
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と無理だと思って、剣と川を見比べて考えてたら、川を木の箱が流れてきて。
あ、あれだ!
あれを使えば、なんとかできるかも!
ひらめいて、夢中で泳いで流れていく木の箱に近寄って、前肢でしがみついて木の箱を運びながら、岸まで泳いで戻って。
うん、やっぱりいけそう!
木の箱なら水に浮くから、これに剣を入れてつかまって泳げば!
絶対に剣を落とさないで、川も海も渡れそう!
だけど念には念を入れて、まずは石を入れて川の途中まで泳いで、また戻ってきて。
本当に大丈夫そうだと自信がついたところでその日は泳ぐのは終わりにして、狩りをして食事をすませて休みます。
春がきたとは言ってもまだ泳ぐには寒い中で、泳ぐ練習でかなり体力を使ったし、育ち盛りなんだから栄養はちゃんと取って、ちゃんと休まないと。
栄養と休息が足りなくてちゃんと大きくなれなかったら、せっかくドーラちゃんに迎えにきてもらっても、役に立てないもんね。
生き延びるにも、そのあとドーラちゃんの役に立つためにも、あたしはちゃんと自分の面倒を見て、ちゃんと強くならなくちゃ。
そうやってまたうとうとと、半分起きてるような感じで眠って、また起きて。
あと十年はこうやって眠るんだろうなって、あったかいベッドでドーラちゃんと一緒に安心してぐっすり眠った夜を思い出しかけて、あわてて頭を振って考えを追い出します。
……今、そんなことを考えたって、さみしくなるだけでどうにもならないんだから。
そんなの思い出していいのは、今じゃない。
十年後にまた会えたときか、せめてあの場所にたどり着いて、落ち着いてから。
それまでは、前に進むことだけ考えてないと。
でないともう進めなくなって、二度と会えなくなっちゃうんだから。
あたしはそんなのは、絶対に嫌なんだから。
気を取り直して体を少し動かして温めて、心も体も準備が整ったところで、いよいよパパさんの剣を運んで川を渡ります。
ボロボロでもう守備力も防寒も期待できない毛皮のマントは、パパさんの剣に巻き付けて保護に使うことにして、鉄の爪はパパさんの剣と一緒に箱に入れて。
万全に準備を整えただけあってなにも問題は起こらず、無事に剣を持って向こう岸にたどり着きます。
……海を渡るためにも、また箱が必要だけど。
この箱を持っていくのと置いていくのと、どっちがいいかな?
楽に運べるなら、持っていきたいけど。
そんなことを考えて試しに剣の入った箱を押してみると、思った以上に大変で。
また都合よく箱が手に入るとは限らないけど、この剣と箱を一緒に運ぶなんて、今のあたしには絶対に無理。
ただ運ぶだけならできなくはないけど、途中で人間とか、あたしを襲う
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