キラーパンサーに転生
20あの場所へ
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少しでもあの場所に近付いて、できればそこに落ち着いて。
覚えてなくても、せめてその場所にはいられるようにしておかないと。
食事のあとまた少し休んで、体力がだいぶ戻ったところでまた剣をくわえて、今度はお城のある方向に戻ります。
と言ってもまっすぐお城に戻ったらやっぱりヘンリーくんを探してる兵士さんたちに見つかっちゃうかもしれないし、パパさんとドーラちゃんと一緒だったときと違って関所は通れないから。
立派な堤防が作られてたあの川は、関所の地下道を通れば簡単に渡れたけど。
それができないなら、あたしにはきっとあの堤防は越えられない。
だけど堤防を避けて、海につながる河口に出れば、なんとか渡れるかもしれない。
だからあたしは人の通る道を避けて、ひたすら南に進んで、海岸に出て。
手ぶらならともかく、剣をくわえた状態ではかなり歩きにくい森や山の中を通って、南の海岸沿いを南東に進み、丸一日かけてやっと河口に出ました。
堤防がどこまで続いてたのかわからないけど、少なくとも見える範囲はふさがれてなくて、ここからなら川を渡ることもできそうです。
泳ぐことさえできれば。
……関所で見たときも広い川だと思ったけど、河口までくるとそれがさらに広くなってるんだね……。
そうだよね、川ってそういうものだよね。
さかのぼって歩こうにも、堤防の前に岩山があって無理だし、その岩山の先だともう関所とほとんど変わらない場所になるよね。
だから、やっぱりここを泳いで渡るしかないと思うんだけど。
あたしは前世では人並みに泳げたけど、この体で泳いだことはないし。
それでも手ぶらなら泳げないことはないと思うけど、剣をくわえてってなると、どうかなあ……。
失敗して途中で落としちゃったら、きっともう拾えないし。
……うん、ちょっと練習してみよう。
ここを越えてもまた海を渡らないといけないんだし、川ならまだしも海で剣を落としちゃったら、もう絶対に拾えないもん。
また狩りをして、お腹を満たして睡眠も取って、体力を充実させて、ぼろ切れみたいになってた毛皮のマントを脱いで、鉄の爪も外して。
まずは手ぶらで泳ぐ練習から始めたら、それなりにレベルが上がって身体能力も上がってるぶん、それは簡単にできて。
次に剣を運ぶ練習をしようと思ったけど、パパさんの剣で試すわけにはいかないから、大きめの木の枝をくわえてみたり、同じくらいの重さの石をくわえてみたり。
剣よりは軽い枝と、バランスを取るなんて考えなくていい石と、どっちもパパさんの剣を運ぶよりは楽なはずなのに、まだ体の小さいあたしには、それだけのことも結構難しくて。
何度も落としてしまって、これはもっとなにか考えない
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