暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX・ドーラちゃんの外伝
キラーパンサーに転生
20あの場所へ
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
少しでもあの場所に近付いて、できればそこに落ち着いて。
 覚えてなくても、せめてその場所にはいられるようにしておかないと。


 食事のあとまた少し休んで、体力がだいぶ戻ったところでまた剣をくわえて、今度はお城のある方向に戻ります。

 と言ってもまっすぐお城に戻ったらやっぱりヘンリーくんを探してる兵士さんたちに見つかっちゃうかもしれないし、パパさんとドーラちゃんと一緒だったときと違って関所は通れないから。
 立派な堤防が作られてたあの川は、関所の地下道を通れば簡単に渡れたけど。
 それができないなら、あたしにはきっとあの堤防は越えられない。

 だけど堤防を避けて、海につながる河口に出れば、なんとか渡れるかもしれない。


 だからあたしは人の通る道を避けて、ひたすら南に進んで、海岸に出て。
 手ぶらならともかく、剣をくわえた状態ではかなり歩きにくい森や山の中を通って、南の海岸沿いを南東に進み、丸一日かけてやっと河口に出ました。

 堤防がどこまで続いてたのかわからないけど、少なくとも見える範囲はふさがれてなくて、ここからなら川を渡ることもできそうです。

 泳ぐことさえできれば。

 ……関所で見たときも広い川だと思ったけど、河口までくるとそれがさらに広くなってるんだね……。
 そうだよね、川ってそういうものだよね。

 さかのぼって歩こうにも、堤防の前に岩山があって無理だし、その岩山の先だともう関所とほとんど変わらない場所になるよね。
 だから、やっぱりここを泳いで渡るしかないと思うんだけど。

 あたしは前世では人並みに泳げたけど、この体で泳いだことはないし。
 それでも手ぶらなら泳げないことはないと思うけど、剣をくわえてってなると、どうかなあ……。
 失敗して途中で落としちゃったら、きっともう拾えないし。

 ……うん、ちょっと練習してみよう。
 ここを越えてもまた海を渡らないといけないんだし、川ならまだしも海で剣を落としちゃったら、もう絶対に拾えないもん。


 また狩りをして、お腹を満たして睡眠も取って、体力を充実させて、ぼろ切れみたいになってた毛皮のマントを脱いで、鉄の爪も外して。

 まずは手ぶらで泳ぐ練習から始めたら、それなりにレベルが上がって身体能力も上がってるぶん、それは簡単にできて。

 次に剣を運ぶ練習をしようと思ったけど、パパさんの剣で試すわけにはいかないから、大きめの木の枝をくわえてみたり、同じくらいの重さの石をくわえてみたり。
 剣よりは軽い枝と、バランスを取るなんて考えなくていい石と、どっちもパパさんの剣を運ぶよりは楽なはずなのに、まだ体の小さいあたしには、それだけのことも結構難しくて。

 何度も落としてしまって、これはもっとなにか考えない
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ