第120話
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、その前に・・・」
少女は手に持っていた財布を、上条に差し出す。
「これ、返します。
それとごめんなさい。」
「え、えっと・・・・何て言ってるんだ?」
「これを返します、ごめんなさい、って言ってるんだよ。」
インデックスに訳してもらい、ナタリアが何を言っているのか理解した上条。
財布を受け取り、身振り手振りで気にするなと伝えようとする。
しかし、傍から見たら奇妙な動きをしている以外に見えない。
それを見かねたインデックスは、上条が何をしているのかをナタリアに伝える。
上条の動きの意味を知ったナタリアは、小さく笑みを浮かべる。
少し笑みを浮かべながら、ナタリアは自分の家に案内する。
麻生達が合流した場所から、数十分くらい歩いた所に、ナタリアの家があった。
先程までの綺麗な町並みとは違い、その家はお世辞にも綺麗なアパートとは言えなかった。
壁の色は剥がれいて、階段などの鉄は錆びていて、いつ壊れてもおかしくないボロアパートだった。
ナタリアは錆びた鉄の階段を上がっていく。
扉は四つ有り、一番手前の扉を開けて中に入る。
ナタリアに続いて、麻生達も部屋に入っていく。
外の外装と比べて、中は比較的に綺麗だった。
玄関を抜け、リビングを越えた先の部屋にナタリアは入っていく。
部屋に入る前にナタリアは麻生達に言う。
「少しお母さんと話しますので、リビングで待っていてください。」
そう言ってナタリアは部屋に入っていった。
麻生達はリビングで待っていると、部屋からナタリアが出てくる。
「お待たせしました。
どうぞ。」
麻生達はナタリアに続いて、部屋に入っていく。
部屋の中は天井の高さくらいの本棚と机、そしてベットが一つ置いてあった。
そのベットに一人の女性が、上半身を起こして座っていた。
歳は四〇歳くらいだろうか。
髪は茶髪で、胸くらいまで伸びていて、一つに纏めてある。
服はパジャマなのか、紫一色のシンプルな半袖を着ていた。
「いらっしゃい。
ベットからの挨拶を許してください。
私がナタリアの母の、ユミナ=カミンスキーです。
娘がお世話になったみたいで、本当に感謝します。」
ユミナは座りながらも、深々と頭を下げる。
「気にしないでください。
たまたま、通りかかっただけですから。」
「それでも娘を助けてくださったのは、変わりありませんから。」
そう言って、ユミナはインデックスの服装を見ると微笑みながら言葉を続ける。
「その格好は教会のシスターさんですね。
何とも可愛らしいシスターさんだこと。」
それを聞いたインデックスは少しだけ照れたような顔をする。
「娘さんから聞きました。
何でも病気にかか
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