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紅眼の銀狼が幻想入り(アカメノギンロウガゲンソウイリ)
第十二章 亡霊少女と幽霊剣士
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銀牙は夢を見ていた。
少女を刺し殺す夢だ。
この世界に来た時に見た夢。
銀牙は二人の少女を殺した所で目が覚めた。
「はっ!!」
銀牙はバッと飛び起きた。
目を覚ますとそこは見知らぬ屋敷であった。
「また…あの夢だ。」
銀牙は幻想郷に来てから、あの夢を二回見た。
「連続で見るって事は何か意味があんのかな…。」
「目が覚めたみたいね。」
銀牙が声のした方に目をやると、そこには青い服を来た少女が立っていた。
「あなたは…?」
「私は西行寺幽々子。亡霊よ。」
「亡霊?」
「あなた…かわいそうにね。まだそんなに若いのに死んじゃうなんて。」
「はっ!?死!?」
突然の死亡宣言に驚きを隠せない銀牙。
「ええ、死んだわ。あのフランドールとかいう娘の弾幕でね。」
銀牙はフランの弾幕をくらって死んでいたのだ。
「そんなわけないですよ!いやいや、冗談きついなーははは。」
「あら、あなた美味しそうなもの持ってるわね。」
幽々子は銀牙の持っているお弁当に目をつけた。
「あ…これ、霊夢の…。」
「それ、食べてもいいかしら。実はお腹がすいちゃって…。」
グーと幽々子の腹が鳴る。
「あ…じゃあどうぞ。」
「まぁ、ありがとう!中身は何かしら?」
幽々子の開けた弁当の中身は2つのおにぎりだった。
「おいしそうなおにぎりねー。いただきまーす。」
幽々子はあっという間に2つのおにぎりをたいらげた。
「ふぅ…。おいしかったわ。ごちそうさま。」
「いえ。」
「何かお礼がしたいわね。そうだわ、ここでご飯食べていって。妖夢、妖夢ー。」
「はっ。お呼びでしょうか幽々子様。」
幽々子が呼ぶとふすまの向こうから銀髪の少女が現れる。
「ご飯の用意お願いね。今日はお客様もいるからいつもより豪勢に頼むわよー。」
「かしこまりました。」
少女はふすまの向こうに消えた。
「さて、じゃあしばらく待っててねー。」
幽々子もどこかへ歩いて行った。
その幽々子の近くには白い球体がいくつか浮かんでいる。
「あれって…幽霊?ってことは本当に死んじゃったんだ…。」
銀牙はショックを隠せなかった。
白玉楼
冥界にある幽霊たちの住まう屋敷である。
中にはこの屋敷の主である西行寺幽々子と
その従者である魂魄妖夢が住んでいる。
しばらくして銀牙は食事にありついた。
「いただきまーす。」
幽々子は嬉しそうに妖夢の作ったご飯を食べている。
「あら、どうしたの?食べないの?」
「食欲ないんです…。」
自分が死んだ後では無理も無い。
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