反董卓の章
第12話 「お姉様って…………呼んでいいですか?」
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けど」
桃香様は涙を拭き、星は怒ったように腕を組む。
ご主人様は青い顔のまま、溜息をつかれていた。
「え? ずずっ……え?」
馬岱は周囲の様子に、唖然として見ていた。
ああ……ほら、鼻をかまないとダメだろうに。
「すまんな、馬岱よ。我らはもとより、董卓殿を助けるつもりなのだ。この連合に参加しつつ、な」
「……え? え? え………………ぇぇぇぇぇぇえええええええええええっ!?」
周囲を見ながら大声を出す馬岱。
ご主人様は、パンと両手を合わせて頭を下げた。
「悪い。君を試した。というか……みんな、よく止めなかったな」
「ぐすっ……そりゃあご主人様と付き合ってもう二年だもん。ご主人様が、馬岱ちゃんに質問し返した時になんとなくどうするのかわかったから……」
「はい。だから私達もお止めしなかったのですが……」
「……やっぱり盾二様は、鬼畜っぽいです。あう……」
「ぐっ……そうか、俺って鬼畜か……そういや、こんな感じで何度か朱里や雛里泣かせているんだっけ」
なんですと?
ご主人様……
「ああっ!? あ、愛紗……頼むからそんな蔑む目で見ないでくれます? というか、君だってわかっていたから止めなかったんだろぉ!?」
「それはそうですが……でも、ご主人様はやっぱりひどいと思います」
「なにそれ、理不尽…………ふう。はいはい、俺が悪かったってば」
そう言ってご主人様は再び寝台に横になり、青い顔で溜息をついた。
まったく、こんな状態で……
「うううううううううう! それって、それって! たんぽぽ……たんぽぽに、恥ずかしい事いっぱい言わせて、泣かせて試したってこと!? 酷い、サイテー、鬼畜っ!」
波と鼻を拭いたと思ったら、横になるご主人様に向かって罵詈雑言を放つ馬岱。
いや、まあ、気持ちはわかるが……なんで私の肩越しから隠れるように言うのだ。
「やれやれ……主の弱点は、女を泣かせるところですか。ある意味、本当に最低ですな」
「いや、星……悪い、すまん、かんべんしてくれ。マジで自覚してるんだよ……」
「ふむ……いやまてよ。この手を絡めていけば、主に操を捧げることもできるのでは……」
「……桃香。俺、貞操の危機かもしれない」
「ご主人様……信じているからね?」
はあ……まったく。
調子が悪いのに、何を言っておられるのやら。
「まあ、ご主人様への罰は後でするとして」
「……………………」
「馬岱よ……これで皆がお前を信ずるに足りるものだとわかった。お主も協力してはもらえぬだろうか?」
「え? えと……たんぽぽが、協力?」
「ああ。そのために試したんでしょう、ご主人様?」
私の言葉に、寝台に横たわったままで苦笑するご主人様。
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