反董卓の章
第12話 「お姉様って…………呼んでいいですか?」
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統率というにもお粗末なものだが、訓練の厳しさとそれを乗り越えた自負から、その士気は高い。
第三軍は私が将であり、馬正が副将扱いだが……こと組織の取りまとめは馬正がしてくれていた為、梁州では比較的楽ではあった。
だが、その馬正も今は別行動のため、指示も統率も私自身がやらねばならない。
(おかげで私はサボる暇もない……ふう)
それが嫌だとは言わないが……やはり人間、ゆとりは必要だと思うのだ。
ちょっと疲れた時に飲む、一杯の白酒。
そしてツマミのメンマ……ああ、涎が出る!
………………兵に飲酒を許したこともあるし、私も一休みして一杯のも――
「あ、星ちゃ〜ん!」
「んぐっ!? あ、いや、めっそうもない! まだ戦の途中ですからな、ハハハハハ!」
「……へ?」
あ、いや、しまった。
つい、驚いて否定してしまったが……
私が振り向くと、そこには桃香様が驚いた顔でこちらを見ている。
…………まさか、考えていたことがバレてはおりませぬな?
「あ、いや、なんでもありませぬ。何か御用でしょうか?」
「あ、うん……紹介するね。こちら馬岱ちゃん。西涼の馬騰さんの代理で連合に参加したんだって」
「はじめましてー! 姓は馬、名は岱、字は伯瞻と言います! 姉様共々、よろしくお願いします!」
桃香様の後ろに居た女の子が、そう言って拝礼してくる。
歳はまだ十四、五といった処だろうか?
「これはこれは……丁寧な挨拶痛み入ります。私は姓は趙、名は雲、字は子龍と申す。劉玄徳様の将にて、第三軍を預かる者です。以後、お見知り置きを」
「ふわー……なんか、かっこいいですね!」
は?
「うんうん、そうだよねー。星ちゃんって、真面目してる時はすんごく格好いいって私も思うなー」
……桃香様。
その言動は、何かを含まれておいでなのか?
「ん、こほん。しかし、珍しいですな。桃香様が諸侯の方をご案内なさるとは」
「え、そう? 頼まれればするよ、誰でも」
「……誰でもはまずいんじゃないかなぁ。たんぽぽが言うことじゃなさそうだけど」
まったくですな。
桃香様……少しは州牧たるご自覚をなされませ。
まあ、私が言わずとも愛紗あたりからクドクドと言われていそうではありますが。
「あははー……今の内緒にしてね。星ちゃんも馬岱ちゃんも……愛紗ちゃんに聞かれたら、長々とお説教だよう」
「……一応、自覚されてはいるようですな」
「はあ……やっぱり翠姉様とウマが合う人って、みんなおんなじなのかも」
馬岱殿にまで嘆息されておる……やれやれ。
「あ、そうそう。馬岱ちゃんはね、以前お世話になった翠ちゃん……西涼の馬超さんの従姉妹さんなんだよ」
「馬超……馬
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