第119話
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ェ。
あんまりうだうだ言うなら、ぶっ殺すぞ!」
四人の男達の内、三人が麻生に近づいてくる。
どれも麻生より体格は大きい。
少女は麻生が本当に殺されてしまうのでは、と思った。
「まぁ、その方が手間が省ける。」
その声が聞こえたと思うと、麻生は地面を蹴る。
一歩で三メートルの距離を詰め、一番前にいる男の懐に潜り込む。
「は?」
麻生の動きが全く見えなかったのか、信じられないものを見たような顔をしている。
そのまま、男の胸ぐらを掴むと、男を背負い投げで地面に叩きつける。
叩きつけられた衝撃で、男は意識を失う。
「こ、この野郎!!」
その光景を見て、もう一人の男が麻生に殴りかかる。
それを半歩移動して、紙一重でかわす。
そのまま、左手で男の顔面を掴むと、壁に思いっきり押し付ける。
後頭部を打ち付け、そのまま壁にもたれながら、地面に倒れる。
麻生がただの一般人でない事を分かったもう一人の男は、ポケットからナイフを取り出す。
それを右手で持ち、麻生に向かって走り出す。
その時、男の前を何かが通り過ぎる。
さらにキィン、と甲高い音が聞こえた。
麻生を見ると、右足を真上に振り上げていた。
そして、空から何かが落ちてくる。
それは、ナイフの刃の部分だった。
男はゆっくりと視線を下ろしていく。
持っていたナイフの刃の部分が、無くなっていた。
男は前を何かが通り過ぎたが、それが麻生の右足であるという事にようやく気がつく。
気がついた時には遅く、振り上げていた麻生の右足が、男の右肩に入り、地面に叩きつけられる。
最後に残ったのは、少女と男の二人だけになった。
「な、何なんだよ、テメェは!!」
男は少女の手を離すと、ポケットから先程、男が持っていたナイフと同じ物を取り出す。
だが、これだけでは勝てない事はさっきの光景を見て、分かっている。
それを理解しているのか、男の身体は小刻みに震えていた。
少女は呆然と、麻生を見つめている。
麻生はゆっくりと男に近づいていく。
近づいてくる麻生を見て、男は後ずさりする。
恐怖に耐え切れなくなったのか、後ろを振り返り、路地裏の奥へと逃げていく。
麻生は地面に落ちている、刃の無いナイフの拾う。
それを男に向かって投げつける。
凄まじい勢いで飛んでいき、男の後頭部にヒットする。
後ろからの衝撃を受けた男は、前に倒れ、そのまま動かなくなった。
「あ〜、疲れた。」
心底、だるそうな顔をしながら麻生はそう言った。
「あ、貴方は、あの時ぶつかった人。」
「覚えていたのか。
それなら、話は早い。」
「財布を取り戻しに来たのですか?」
「いや、全然。」
その言葉を聞いて、少女は首を傾げる。
「さっ
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