第六話「過去/SPAT」
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…」
「あ、あたしも行く!」
ゼロに続きアルフも付いていく。ゼロはフェイトの部屋のドアをノックした。
「俺だ、入るぞ……?」
ゼロは応答の無いフェイトの寝室へ入った。ベッドの棚にはゼロがトレーに乗せた料理があったが、フェイトは何も手を付けてないように見える。
「また……食っていないのか?」
無表情な顔から出すゼロの言葉でも、口調はやや心配していた。
「そうだよ?コイツはブッキラ棒で仏頂面だけど作るもんは美味しいよ?」
「お前は黙っていろ、アルフ……!」
一言余計だとゼロは言うと、横たわるフェイトのベッドの隣に腰を下ろした。
「フェイト、お前は最近秘密だと言って本部へ直接連絡しに行くようだが?」
「……」
だが、ゼロがそれを言った直後、フェイトやアルフまでも黙り込んだ。
「何かあるのか……?」
「別に関係ないよ……お母さんのもとへ会いに行って来ているだけだから」
そういうとフェイトは背を向けて起き上がった。だが、その背にはわずかながら叩きつけられたような、線状の傷が数か所見えた。それをゼロは見る。
「……?」
「さて、行こうか?ゼロ、アルフ……」
「フェイト……」
ゼロはフェイトを見て不安に思った。もしや、自分の居ないところで彼女がなにか傷ついているのだろうか?
「フェイト、今回限りは俺に任務を譲れ……」
「え…?」
「その様子では任務へ参加できるような状態ではない。戦士たるもの、空腹でなくても飯は食えるときにくっておかないといけない。俺が言っている間お前は飯を食っていろ……アルフを連れていくがいいか?」
「ぜ、ゼロ!大丈夫だよ?私、平気だから……」
しかり、フェイトは無理にでもベッドから起き上がって任務に参加する。
「ふぇ、フェイト?今回ばかりは私ゼロ坊やと一緒に回収へ行ってもいいよ?だってあんた……」
「アルフ……」
「い、いや!でもさ?私はフェイトの使い魔だから、フェイトに従わないといけないけど……」
「でも、アルフその手にあるのは……」
すると、いつのまにか、アルフは片手にゼロの作ったパンケーキを手にしていた。無意識に持ってきたのだろう。
「お前……」
ゼロも流石にアルフの食い意地には呆れた。
「あ、いや…これはその……」
「食べ終わってから行こう?ゼロもそれまで待っていてくれる?」
「ああ……だが、フェイト?」
「なにゼロ?」
「……危なくなったら、すぐに俺の後ろへ隠れろ?」
そういうとゼロは先に部屋を出て行った。
*
「タケル君!?」
なのははタケルの名を呼びながら彼の捜索に当たっていた。心配をかけてはいけないので家族には理由を付けて外出した。
「どこなの……?」
なのははどうしてタケルがいつもああやって疾走してしまうのかをこれまで考えていた。それはひょっとしたら自
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