第六話「過去/SPAT」
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のが……」
「ああ、そういえばあなたって夜更かしが苦手なのね?なら、連れ出して明日遅刻したら困るし、ならあなたは来なくていいわ?」
僕はそれを聞いてホッとした。だけど、今夜三人が外を出回るというのだから下手に野外で変身はできそうにないな……
学校が終わって僕は自転車で自宅へ帰った。なのはは先に帰ったようで、僕も急いで帰り、彼女に一言詫びよう……
「なのは?僕だけど……」
帰宅後、僕は自室にランドセルを置くと真っ先になのはのもとへ向かった。
「タケル君?どうぞ」
「おじゃまします……」
僕は不安な顔でなのはの顔を窺った。なのははおやつのたい焼きを食べているようで、お食事中申し訳ないけど、僕は一先ず謝った。
「今朝はごめん……先に行っちゃったりして」
「心配したよ?」
「ごめん……」
「いいよ、それよりたい焼きがあるから一緒に食べよ?」
「う、うん……」
機嫌を直してくれて、僕は安心したが……
「……!?」
突然、この場が歪んで見えた。赤紫に歪むなのはの部屋、僕は目を丸くし彼女を見ると、
(嘘つき……)
「!?」
どこからともなく……いや、その声はなのはから聞こえてきた。そんな!?最近聞こえなくなってきたと思ったのに……!?
(この嘘つき……そして、化け物!)
「……!?」
僕は頭を抱えてこの場から逃げ去った。
「た、タケル君!?」
僕の後をなのはが追う。僕は外へ飛び出し、とにかく逃げ回った。
「ど、どうして……どうして聞こえるんだ!?」
僕はその事態に苦しみながら疾走した。
*
夕暮れ、聳え立つマンションの一室にはソファーに座るアルフが居た。見た限り食事中である。
「うん♪こっちの世界の料理は美味しいね!」
食べているのはゼロの手料理。最初はドックフードの味を占めていたが、ゼロの作る料理の方が倍も味占めた要であり、同居の条件として食事当番はゼロの役目である。
「ったく、どれだけ食うつもりだ……?」
あきれ顔でゼロはどんぶりを持ってきた。テーブルには、何十枚もの茶碗や皿が積み重なっている。今アルフが平らげたのは天丼、カツ丼、親子丼、ピザにハンバーグとステーキ、さらにはパンケーキ六枚とデザートにパフェ五杯も……
「いいじゃん♪住まわせてやっているんだからこれだけはしてもらわないとねぇ?」
「俺の部屋を荒らしまわっておきながら何を……」
手を震わせながらゼロは歯を噛みしめた。
「あ、それよりもフェイトは食べた?」
と、アルフは寝室に居るフェイトのことを尋ねた。先ほどゼロが料理を運んでから姿を見せない。
「まだ見ていない。何せ、お前の飯の相手をするのに見る暇がなかったからな……?」
「し、仕方ないじゃん!使い魔ってのは結構大量にエネルギーを消耗するんだから……」
「どれ、様子を見てくるか…
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