第六話「過去/SPAT」
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「……」
玄関を通り過ぎ、次は廊下だ。隣の職員室からは育田先生が出てきた。
「お!タケル君?今日は何時もより早いね」
「先生……」
「どうした?今日は少し元気がなさそうだな?」
「いえ、今日は何時もより早めに来たから少し眠くて……」
「そうか?だが、私の授業で居眠りはご法度だぞ?ハッハッハ」
そういって出席簿を小脇に抱えて先生は別の部屋へ向かった。僕も教室へ向かおう。
ガラガラと戸を開けて教室の片隅にある自分の席へ座りこみ、頬杖をつきながら外から見える校庭を見下ろしていた。
「よ!タケル?」
「牛島君?」
気軽に僕へ歩み寄って来たのは同級生で委員長の部下である牛島君だ。
「今日は早いな?あのチビとは一緒じゃないのか?」
「ああ、なのはのこと?」
「いつもは一緒にバスで通学するじゃないか?喧嘩でもしたのか?」
「ううん?今日は久しぶりに自転車で来たんだ」
「へぇ?自転車か……」
それから彼と会話をいくつか交わした後、朝のホームルームが始まって授業が始まる。
僕は頬杖をし続けながらそれを受けた。先生の授業を聞いて、午後になった。給食を済ませた昼休みは特にやることもなく、机に伏せ続けていたが、
「蒼霧君?」
「……?」
目を覚まして顔を上げると、そこには仁王立ちしてこちらを見下ろす委員長が居た。
「どうしたのよ?そんなだらしない姿は?」
「別に……ちょっと今日は憂鬱なんだよ」
昨日の夢を見たから僕は憂鬱と受け止め、それを理由に答えた。
「そう?でも、そうやってダラダラしていたら午後の授業もまともに受けられないわよ?ほら、廊下でも歩いて校内を散歩してきなさい?」
委員長の言うことも一理ある。僕はゆっくりと机から立ち上がって。校内を散歩した。
歩き終えた後は屋上でのんびり日向ぼっこでもしようかな?
「……いい加減にしなさいよ!?」
すると、三年生の教室からどなり声が聞こえた。驚いて教室を見ると、そこにはアリサちゃんがなのはの机を叩いて喧嘩していた。彼女は一言か二言ぐらい言うと教室から出て行った。すると、彼女は僕と眼が合ってしまう。
「タケル!?」
「っ……?」
やはり、今朝バスで顔を見合せなかったことで怒っているんだろう。
「どうして今日バスに居なかったのよ?心配したのよ!?」
「ご、ごめん……その、自転車で登校したかったから。あの……」
僕は先ほどのことを尋ねた。
「なによ?」
「……なのはと何かあったの?」
「ほっといてよ!」
アリサちゃんはそう言うと何処かへ言ってしまった。たぶんなのはも起こっているだろうな?彼女よりかはカンカンじゃないといいけど……
「あ、タケル君?」
「すずかちゃん……」
アリサの後を追ってすずかちゃんと会った。アリサちゃんのことが心配で後を付けるんだろう
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