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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第191話(ラウラルート)】
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腰に腕を回されたのに驚いたラウラは、あわあわとした表情と共に耳まで真っ赤に染め上げていた。


「言っただろ? くっついて滑らないといけないって。 嫌なら肩にするか?」


 少し意地悪く言うと、首を全力で横に振ったラウラ。


「だ、大丈夫だ! ……き、急だったからびっくりしただけで……。 ――ヒルトに抱かれるのは……心地よくて私は……大……好き……だ」


 首を振った後、此方に顔を向けたラウラの瞳は熱を帯び、憂いを秘めた眼差しで見つめてきた。

 ……なんていうか、こういうラウラは意地悪して困らせてみたくなる。

 ……ここで意地悪しても仕方ないので、機会があればラウラに意地悪してみるのも悪くないという悪魔の声が聞こえた。


「ははっ。 んじゃ、このままでな?」

「ぅ、ぅむ。 ……ヒルト……暖かいな」

「ん? 暑くないか? 暖かいのか?」

「ぅむ。 ……人の体温――というよりは嫁の体温が私には心地いい……。 このままずっと――」


 ラウラが喋ってる途中で、係員から俺達二人に声をかけてくる。


「二人とも、そろそろ準備はいいですかー? 後ろの方たちも待ってますのでそろそろお願いしますー」

「あっ、いつでも良いですよ。 ラウラも問題無いな?」


 横から覗き込む様に見ると、一瞬驚くのだが――。


「わ、私としては……このままヒルトとずっとこうして――ぅわあぁああっ!?」

「はい、その意見は却下されましたー」


 ラウラが言ってる途中で無情にもガコッという音と係員の却下という言葉と共に、俺達はウォータースライダーから滑り落ちた。

 いきなりだったためか、流石のラウラも驚きが隠せずに声をあげた。

 因みに、並んだ列は一直線型のウォータースライダー――ラウラが軽いとはいえ、やはり二人分の体重がのってるせいか直ぐにトップスピードに達し、一気に下まで滑り落ちると共に激しく水飛沫を立てた。


「……むぅ、もう終わりか」

「まあトップスピードにのるのが早かったからな。 どうだった? 初スライダー?」

「……一瞬だったから覚えてない。 だ、だが……ヒルトの温もりを感じたのが一番よかった……」


 水飛沫でびしょ濡れになったラウラは、不思議な艶っぽさを醸し出していて、俺も少しドキッとしてしまった。


「そ、そうか。 ……ラウラ、立てるか?」

「む。 ……せ、せっかくだ、今日は嫁の手を借りたいのだが……」


 立ち上がった俺を見上げるように見つめるラウラ。

 何となく、甘えるのが下手くそな猫の様にも思えた。

 手を差し出すと、ラウラはその手を掴み、勢いよく引っ張るとラウラは立ち上がった。


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